「コロナ特需」が終わっても、なぜマクドナルドの好調は続くのか カギは業界に先駆けたDX(2/3 ページ)

» 2024年09月22日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

モバイルオーダーが行列解消に寄与

 かつてマクドナルドといえばランチタイムの行列が課題だったが、最近は改善している。その一役を担っているのが、2020年に全国導入した「モバイルオーダー」である。

 モバイルオーダーは公式アプリを通じて行うもので、最初に店舗と商品を選択し、次に受け取り方法を選ぶ。店内カウンターで受け取るほか、イートインの場合はテーブルへの配膳、テークアウトの場合はドライブスルーでの受け取り、などを選択できる。支払いもアプリで済ませる仕組みで、各種クレジットカード、PayPayなどの電子マネーに対応している。店内受け取りの場合はモニターを通じて、自分の商品ができているか確認することが可能だ。

 モバイルオーダーにより、最近はレジに並ばず商品を受け取る客が目立つようになった。店舗・時間帯によっては注文の半数以上がモバイルオーダーになることもあるという。特にランチタイムに利用する客が多く、混雑解消につながっているようだ。

 一部店舗ではセルフオーダー端末(券売機)の設置も進んでいる。筆者の個人的体験だが、かつては長い行列を見てマクドナルドへの入店を何度か諦めたことがある。行列のストレスをなくす施策は地味ながら売り上げに貢献しているかもしれない。

“本気カフェ宣言”も フラッペやマカロンを販売

 商品面に注目すると、マクドナルドは「マックカフェ」というブランドでカフェ需要を開拓してきた。日本では1998年に新業態店としてオープンし、現在ではメニューの1ジャンルとして提供している。3000店舗弱ある国内マクドナルドの中で8割ほどがマックカフェ対象店である。

 マックカフェではカプチーノやエスプレッソなどコーヒーを各種提供するほか、スターバックスのフラペチーノを意識しているのか、ホイップクリームの乗った「チョコフラッペ」「宇治抹茶フラッペ」を看板メニューとして販売している。甘いものを少し食べたいという需要にも対応すべく、フランスのお菓子「マカロン」も各種提供している。

マックカフェで販売している「チョコフラッペ」(出所:同社公式Webサイト)

 マクドナルドは2023年に“本気カフェ宣言”を行い、カフェ商品の強化を始めた。同宣言以降、一部店舗の限定だったフラッペやマカロンを全国の店舗で展開している。午後から夕方の間に店舗に寄ってみると、テークアウトでカフェドリンクを持ち帰る若年層や店内でカフェのようにくつろぐ客が見える。まるでスタバのような光景である。マックカフェは夕方の集客につながっているのではないだろうか。

「マカロン」も販売しているマクドナルド(同前)

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