慢性的な人手不足が続き、多くの企業が社員に対して最大限の力の発揮を求めている。そのような中、人事が管理職に最も期待していることとは。リクルートマネジメントソリューションズ(東京都港区)が調査を実施した。
人事担当者が感じる会社の組織課題の1位は「次世代の経営を担う人材が育っていない」で、67.3%に上った。2位は「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」(64.0%)、3位は「新価値創造・イノベーションが起こせていない」(63.3%)と続いた。
また、管理職層が感じる会社の組織課題についても、1位は「次世代の経営を担う人材が育っていない」となり、66.0%に上った。2位は「中堅社員が小粒化している」(64.0%)、3位は「新価値創造・イノベーションが起こせていない」(63.3%)となった。
管理職層では「中堅社員が小粒化している」が2位にランクインした他、「難しい仕事に挑戦する人が減っている」「新人・若手社員の立ち上がりが遅くなっている」が同率で4位に。ピープルマネジメントが課題として認識されていると考えられる。
人事担当者が管理職に最も期待していることとは。最も多い回答は「メンバーの育成」で42.7%に上った。次いで、「メンバーのキャリア形成・選択の支援」(27.3%)、「業務改善」(25.3%)と続いた。
また、管理職層が考える管理職として重要な役割についても、最も多い回答は「メンバーの育成」(48.7%)となった。以降は「業務改善」(40.4%)、「メンバーのキャリア形成・選択の支援」(32.0%)となった。
管理職が日々のマネジメント業務で難しいと思っていることについては、「メンバーの仕事に向けたやる気を高めること」が最も多い回答となり、56.0%。次いで、「メンバーの育成・能力開発をすること」(55.3%)と続いた。
また、管理職が日々のマネジメント業務で時間を使っていることについても、「メンバーの仕事に向けたやる気を高めること」(48.0%)、「メンバーの育成・能力開発をすること」(42.7%)の割合が高い傾向となった。メンバーのモチベーション向上方法に1on1があるが、メンバーの人数によっては時間的な負担がかなり大きくなることが想像される。
管理職のやりがいについて、1位は「自分のメンバーが成果を挙げたとき」となり30.7%。2位は「自分のメンバーが成長したとき」(29.3%)、3位は「自分のメンバーが生き生きと仕事をしているとき」(26.7%)と続いた。やりがいの中心は「メンバー」となっていることが明らかになった。
管理職を続けている理由で、最も多い回答は「給与・待遇面が優れているから」となり、34.0%を占めた。業務の難度や負担の大きさに対して、給与・待遇面での対価がないと続けることが難しい立場であると考えられる。
調査は6月にインターネットで実施。人事担当者150人、管理職層150人から回答を得た。
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