ドンキ、サンダルのように履けるスニーカーが好調 「誰かの悩みを解決する靴」を開発した背景(1/3 ページ)

» 2024年09月28日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

 ドン・キホーテが2023年11月に発売した、サンダルのように立ったまま履けるスニーカー「Spash(スパッシュ)」シリーズが好調だ。売り上げが計画比160%で推移しており、2024年8月末にはリニューアルをしてさらに快適性を向上させた。競合商品も存在する中で、どういった点を工夫したのか。商品を企画したパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の月足義広氏に話を聞いた。

どんなスニーカーなのか(提供:ゲッティイメージズ)

 スパッシュは、「誰かの悩みを解決する靴」をコンセプトに開発した商品だ。「膝や腰がつらい」「子どもから目が離せない」「荷物で手がふさがっている」といった状況でも、手を使わずに履けるようにした。履く際に屈む必要がないのもポイントだ。

 リニューアルに当たっては、いくつかの点で履きやすさを向上させている。

後ろからみた「Spash(スパッシュ)」スニーカータイプ

 例えば、かかとの部分を特許形状のV字カップにしたり、柔らかで滑りのいいクッションを採用することで、足がスムーズに靴の中に入るようにした。

かかと部分のV字カップで足がスムーズに靴の中に入るようにした(提供:PPIH)

 濡れたコンクリートの床などで滑りやすいといった課題に対応するため、靴底素材にラバーを練り込んだ。月足氏は「本当はゴム底にしたかったのですが、そうすると価格が高くなってしまいます。価格維持のため、ラバーを練り込むという手法に挑戦しました」と説明する。スパッシュの価格は4399円だが、競合商品に負けないよう、価格とクオリティーのバランスにこだわったという。

滑りにくくなるように、靴底素材にラバーを練り込んだ

 履き心地を快適にするため、履き口にクッション性のある生地を採用。ホールド感も向上させた。また、足の甲を覆うシュータンが、履くときに巻き込まれないように角度も調整した。

足の甲を覆うシュータンが巻き込まれないように角度を工夫した

 腰の痛みを抱えている人に配慮し、インソールも柔らかくしている。クッション性が高いほうが、足の負担が少ないためだ。

 スパッシュには、「コートタイプ(スニーカー)」と「ニットタイプ(スリッポン)」の2種類を用意。スニーカータイプは、靴ひもがゴムになっており、ひもを結ばずに履けるようになっている。ゴムの伸縮性のおかげで、足にフィットしやすいという特徴もある。

靴ひもがゴムになっており、ひもを結ばずに履けるようにした

 どんなシーンでも使いやすいように、全体的にカジュアルなデザインとした。サイズは25、26、27、28センチを用意している。

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