フリーランスエンジニアを活用する企業担当者の73.3%が、フリーランスエンジニア活用に「満足している」(とても満足、やや満足の合計)と回答していることが、フリーランスのITエンジニア向け案件紹介サービス「Relance(リランス)」を運営するスリーシェイク(東京都新宿区)の調査で分かった。
一方、約2割は「やや不満」(20.6%)、「とても不満」(2.4%)との回答だった。満足している意見が多いようだが、全体の65.3%が「フリーランスエンジニアの早期終了(3カ月以内)の経験がある」と回答している。
早期の契約終了には、企業側、フリーランスエンジニア側でそれぞれどのような理由があったのか?
企業から早期終了を申し出た理由の1位は「性格や価値観、方向性の不一致から衝突が起きた」(47.6%)だった。以降「カルチャーフィットしなかった」(39.4%)、「スキルアンマッチが生じた」(34.2%)と続いた。
同社は結果について「プロジェクトを遂行するためには、スキルだけでなく価値観や目標への共通理解が重要。また、企業文化やチームの雰囲気にフィットしない状態では信頼関係の構築も難しくなり、プロジェクトの進行に悪影響を及ぼすことがある。密なコミュニケーションを重視することで、少しでも早期終了を防げる可能性があるのではないか」とコメントしている。
フリーランスエンジニア側から終了を申し出ている場合も、1、2位は同様の理由だった。3位以降は「業務内容のアンマッチが生じた」(35.5%)、「業務内容に対する報酬不満」(15.3%)、「特になし(企業からの終了申し出のため)」(4.0%)という結果に。
同社は結果を踏まえ、「企業は、フリーランスエンジニアに適切な業務内容やその業務に見合った報酬の設定、そしてカルチャーフィットしているかも重視することで、フリーランスエンジニアと長期的に関係構築ができ、早期終了を防げる可能性があるのではないか」とコメントした。
「フリーランスエンジニアを活用する中で、トラブルが起きた経験はありますか?」という質問に対して「ある」との回答は60.4%に上った。
トラブルの内容について、最も多かったのは「業務内容のアンマッチや対人関係が上手くいかず、稼働が不安定になった」(56.5%)だった。2位は「性格や価値観の不一致から衝突が起きた」(32.7%)、3位は「音信不通になった」(30.2%)という結果に。
企業はこうしたリスクを認識し、トラブルを防止するために業務内容の綿密なすり合わせや定期的なコミュニケーション、情報セキュリティインシデントに備えたセキュリティ対策の強化も重要となるだろう。
トラブルの再発防止対策としては、36.8%が「フリーランスとの直接契約からエージェント経由での契約に変更した」と回答。以降「参画前にプロダクトや業務内容、プロジェクト状況などを細かくすり合わせた」(32.9%)、「参画前にチームメンバー複数人とコミュニケーションを取る機会を設けた」(30.8%)と続いた。
調査は、フリーランスエンジニア活用経験者を対象にインターネットで実施した。調査期間は2024年9月5〜9日、有効回答数は1031件。
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