今年もあっという間に一年が終わります。近年、年末になるたびに話題になるのが「忘年会事情」です。
かつてはあちこちの忘年会を渡り歩くこともあるほど当たり前だった「会社員の大イベント」が、2000年前後から若者に嫌われるようになりました。アベノミクスにわいた2013年には、新入社員の8割近くが「上司と飲みたい」と回答するなど(外部リンク、オルニチン研究会調査)復調の兆しもありました。
結局、今では「忘年会は必要か?」「忘年会に残業代は払うべきか?」など、「みんなどう思う?」的な議論が、年末の風物詩です。
そんな中、話題になったのがRCC(中国放送)が報じた「忘年会に“行きたくない”ナンバーワン世代は50代!?『若者に「飲め飲め」言えない』『私たちが盛り上げ役』半ば強制参加だった昭和・平成時代とのギャップに本音」という見出しのニュースです(外部リンク)。
見出しだけで十分過ぎるほど同世代の苦悩が想像できるので、大いに笑わせていただきました。しかし一方で、実際に報じられたRCCのニュース動画を見て、ちょっとばかり考えさせられました。「飲みニケーション」の呪縛といいますか、過剰評価といいますか。
そこで今回は件のニュースをもとに「飲みニケーション」についてあれこれ考えます。
本題に入る前に、東京商工リサーチが12月に発表した「忘・新年会に関するアンケート」結果から(外部リンク)。
──なるほど。
10年ほど前、飲み会の翌日、部下に「残業代は出るんですよね?」と問われ、「出るわけがないだろう!」と怒鳴りたい気持ちを必死に抑えた上司の苦悩をコラムを書きました。すると大バズりして、忘年会と残業代に対する関心の高さに驚いたことがありました。
それから10年、なんと9割もの企業が「労働時間にはならない」ときっぱりと答えています。若い社員の間でも「残業代? でるわけないじゃん。別にいらないし」ってことになっているのでしょうか。これはこれで興味深いので、またの機会に考えてみようと思います。
では、冒頭のRCCのニュース番組で取り上げた、job総研が全国の社会人の男女440人を対象に実施した「職場の忘年会」に関する調査結果と、ニュース内容を簡単に紹介します(以下、抜粋・要約。詳細は外部リンク)。
RCCがこの結果をもとに、広島県で街頭インタビューを行ったところ、以下のように50代の参加意欲の低さに共感する声が相次ぎました。
一方で若手はというと、
──他にも「対面で話せるメリットが大きい」「相手と打ち解けられて仕事がやりやすくなった」など、「飲みニケーション」を肯定するコメントが紹介されていました。
「なんか昔と逆だ」と、皆さんも思ったのではないでしょうか。
職場ではものも言わない上司が、自分のコンフォートゾーン(快適な空間)である飲み屋で、お酒が回り始めた途端くどい説教を始めたり、ウケてると勘違いして下ネタギャグ連発するのを、若者は嫌っていたはずなのに。
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