「ガスト」は2020年7月から「から好し」との併設店を出店し、現在ではガストのほとんどが併設店となっている。から揚げをメインで食べたい人だけでなく、ちょい足しメニューとしても機能している。「かつや」のアークランドサービスHDが運営するから揚げ専門店「からやま」もチェーン店として定着した。2014年に1号店を出店した後、2020年に100店舗を達成、6月末時点で123店舗を展開する。吉野家も2016年よりから揚げを定番メニューに設定。牛丼に飽きた客を取り込もうとしている。
から揚げが定着した背景には、コストパフォーマンスの良さがあるだろう。ランチ価格が1000円を超えるのも当たり前になった昨今、800円台で満腹感を得られるメニューは、特に男性客にとってありがたい存在だ。堅調なから揚げ店を前に、吉野家はから揚げ専門店に勝機を見出したのではないだろうか。
もう一方の新業態店が、12月1日にオープンしたカレー専門店 もう〜とりこである。立地は浅草、雷門からやや離れた六区ブロードウェイ商店街。看板には「しあわせのビーフカレー」と大きく書いてある。浅草にあるとはいえ、インバウンドを意識した店舗づくりにはなっておらず、日本人をターゲットにしていると思われる。店内には注文用のタッチパネルがあるが、英語メニューはなかった。
「ビーフカレー」は858円、ご飯がオムライスになっている「オム玉ビーフカレー」は1078円だ。フライドオニオンや食べるラー油などの副菜は、2品まで無料でトッピングできる。何より、ココイチのようにご飯の量や辛さを追加料金で変更もできる点は注目だ。
同様に生玉子やコロッケ、チキンカツなど有料トッピングも追加可能で、ココイチを参考にしたと思われるシステムが随所にみられる。ただし、トッピングのバリエーションはココイチが圧倒しているように感じた。
筆者は「チキンカツスパイシービーフカレー」を注文した。カレーの味は良くも悪くも「スタンダード」、揚げたてのチキンカツは衣がサクサクである。確かにメニュー数は少なく、バリエーション選びの楽しさはココイチに劣ってしまうが、良く絞り込まれている印象だ。サッと食べるカレー店としては適している。
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