パナソニックHDが「OpenAIのライバル」と組むワケ AI売上比率を「10年後には30％」に拡大

[ロイター]

　パナソニックホールディングスは、AIを活用したハードウエア・ソフトウエア事業とソリューション事業の規模を2035年までにグループ売上高全体の30％に拡大させる計画。楠見雄規社長が1月8日（現地時間7日）、米ネバダ州ラスベガスで開幕した最新テクノロジー見本市「CES」で基調講演し明らかにした。

「Claude」の米Anthropicと提携──どんな計画なのか？

　サプライチェーン（供給網）管理システムを手がける傘下の米Blue Yonderを通じて、需要予測や複数企業にまたがる供給網の最適化支援でAI活用をさらに強化する。2025年4月からは、AIを生かしたビジネスモデルへの変革を推進する取り組みを本格始動させる。

（写真提供：ロイター）

　その一環として、2025年にAIや先進技術による家族支援サービスアプリ「Umi」（ウミ）を北米で立ち上げるとし、その運用でAI開発の米新興企業Anthropicと提携したと発表した。Anthropicが開発した対話型AI「Claude」をアプリに搭載する。

　Claudeは文章の自動生成や人間のような推論、自然な表現による会話能力の高さで知られる対話型AIで、今回の提携によりパナソニックHDはグローバルで活用できるようになる。

　米配車サービス大手Uberや米食料品即日配達サービス大手Instacart、高齢者が会員の非営利組織AARP（全米退職者協会）など複数の企業や団体とも協業。家族の困りごとなどを解決するため、アプリを通じて具体的な行動計画や提案を行う。

　Anthropicは、対話型AI「ChatGPT」を手がけるOpenAIの元幹部らが2021年に設立。米Amazon.comや米Alphabet傘下のGoogleから投資を受けており、米Microsoftが出資・提携しているOpenAIの最大のライバルとして注目されている。