タスクが終わっていないのに何も報告しない部下、実は上司が悪いワケ「キレイごとナシ」のマネジメント論(2/5 ページ)

» 2025年01月20日 17時30分 公開
[横山信弘ITmedia]

まずはタスクを正しく理解する

 それでは、まずタスクについて簡単に触れていこう。

 タスクとは、プロジェクトを細かく分解し、スケジュールに載せられるくらいの作業単位を指す。必要な手順を曖昧(あいまい)にしたまま「やっておいて」と指示すれば、部下は何から着手していいか分からずに戸惑う。結果として、いつまでもタスクが終わらず、しかも何の連絡もないいまま放置される。

 だから、まだタスク分解に不慣れな部下に対しては、積極的に上司が関与してアドバイスしてあげよう。

 例えば「部屋を片付けて」といわれると、何から手をつければいいのか分からない場合がある。そのため「机の上の書類を整理する」「本棚に本を戻す」といった段階まで分解してみよう。そうすれば取り組みやすくなる。

 ビジネスでも同様で、タスクが「企画書を作って」「市場の分析して」だけでは曖昧すぎる。何の資料なのか、誰に向けて作成するのか、どんなフォーマットか、締め切りはいつか。そこまで明らかにならないと、本当に必要なタスクが見えてこない。

 つまり重要なのは「要素分解」だ。この分解が甘いと、タスクという作業に分解できず、先送りの習慣から抜け出せなくなる。

タスクを分解しないまま放置すると何が起こるか

 タスクを適切に分解しないまま放置すると、さまざまなトラブルが起こりやすい。最も起こりやすいのが、部下自身が行動の第一歩をイメージできずにストップしてしまうこと。指示された仕事は頭の中で理解したつもりでも、具体的な作業を把握していないと手が付けられない。

 この状況で部下が何も報告しなければ、上司はどうすることもできない。いよいよ提出直前に「間に合いません」といわれても、すでに挽回できない状況になっているだろう。

 修正や追加作業が山積みのまま期限切れ、社内外の信用に影響が出るかもしれない。こうした事態に陥ると、上司は部下の動きを疑うようになる。そしてマイクロマネジメントが始まり、部下は上司からの過干渉に不満を抱く。こうして負のスパイラルに陥るのだ。

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