岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)
ムガマエ株式会社 代表取締役社長/経営コンサルタント
1969年、静岡市生まれ。船井総合研究所にて28年間、上席コンサルタントとして従事したのち、同社創業。流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。
2024年末に「40歳パーカーおじさん論争」が起きました。「40歳にもなってパーカーを着ているおじさんはどうなのか」というYouTube動画を発端に、さまざまな反響があり、「おじさん」たちからの“反論”も目立ちました。
なぜ、ここまでパーカーが話題になったのでしょうか。流通小売り・サービス業のコンサルティング約30年続けてきているムガマエ代表の岩崎剛幸がマーケティングの視点から分析していきます。
40歳パーカー論争は、作家の妹尾ユウカ氏がYouTubeの「新R25チャンネル」にて、「40歳近くになって職場でパーカーを着ているおじさんはおかしい」と発言したのが発端です。動画は「イケてないおじさんにならないためにどうするべきか」といった趣旨でした。
これを受けて、何人かの経営者の方々に「私自身、50代でパーカーを着ていますが、みなさんはどうですか」と聞くと、「俺も着ている」「毎日着ている」といった反応が相次ぎました。妹尾氏は別のインタビューで「TPOの話で言っただけ」と弁明していますが、最近は仕事場での服装もかなりカジュアル化しています。パーカーを仕事場で着るのがNGだとすれば、Tシャツは良いのでしょうか。また、ジャージやスウェットはどうなのでしょう。これは職業や会社の服装規定などによっても異なります。
もちろん30年ほど前までは、日本のビジネスシーンではパーカーはおろか、ネクタイを外して仕事することすら考えられませんでした。筆者も新入社員時代にはスーツとネクタイで仕事をしていましたし、経営コンサルタントの世界でも「きちんとした服装をする」ことが社内規定となっていました。
こうした状況が大きく変わったのは「クールビズ」です。2005年に地球温暖化対策の一環として始まったのをきっかけに、仕事場での服装がカジュアル化。ビジネスファッションシーンが一変しました。仕事場でパーカーおじさんが増えたきっかけの一つは、このクールビズだったと考えています。
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