はなまるは、セグメント売上高が231億9000万円(同5.8%増)、セグメント利益は18億4100万円(同27.7%増)と好調だ。期末の店舗数は418店で、トップを走る丸亀製麺にはダブルスコアを付けられているが、決して不振なわけではない。
1月23日に値上げを行い、かけ(小)の価格は330円から360円に、かけ(中)は520円で、ワンコインを超えた。小麦や食用油の価格高騰を受けて4年連続の値上げとなるが、これまで幸いにも値上げによる売上減は起こっていなかった。
しかし、かけ(小)はコロナ前の2倍となっており、さすがにここまで値段が上がると、顧客を納得させる新たなるストーリーが必要になってきた。そういった理由で、香川・高松へ本社移転したのではないか。
業界のトップである丸亀製麺は「讃岐うどん」の代表ブランドとされるが、本場である香川県の店舗は1店にとどまる。丸亀市内に店舗はなく「心の本店」と称する研修施設を、2024年11月に離島の讃岐広島に設けた。対して、はなまるは本社を、高松市内に移した。
はなまるには「サラダうどん」、期間限定の「ごま担々」など、他店にないユニークな商品もある。それにプラスして、本社移転で打ち出した「おいでまい!さぬきプロジェクト」によって、いかに香川色を出していくか。高くても、通いたくなる店づくりに期待したい。
吉野家HD全体へ話を戻すと、増収減益の大きな理由は海外事業の不振だろう。
セグメント売上高は211億2700万円(同4.7%増)と増収だったが、セグメント利益は11億4900万円(同34.9%減)と大幅な減益。特に米国・カリフォルニア州と中国の不況が影響しており、店舗数も期中に10店舗減少となった。
吉野家HDとして、海外事業の立て直しは急務であり、海外・インバウンドに人気が高いラーメンの強化に余念がない。そうした中で、 先述したキラメキノ未来のM&Aを行った。
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