都市部で進む、家電量販店の「デパート化」 ヤマダ・ヨドバシ・ビックの目指す方向とは(2/4 ページ)

» 2025年01月28日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

ヨドバシは百貨店跡地へ 「衣食住」が充実

 ヨドバシカメラは、これまで全国各地のターミナル駅近辺に超大型店を構えてきた。西武池袋本店の一部を買収したように、駅前1等地を狙っている。店舗数はヤマダHDと比較してかなり少ないが、1店舗当たりの規模が大きい。

 中でも東京・秋葉原の「ヨドバシAkiba」と、大阪・梅田にある「ヨドバシ梅田」が代表的な店舗だ。2005年に開業したヨドバシAkibaは延床面積6万平方メートル超、1階から6階がヨドバシカメラのフロアで、地下1階と7〜9階は専門店フロアとなっている。

 ヨドバシカメラのフロアには通常の家電や電子機器の他、化粧品や酒類、アウトドア用品のコーナーがある。高級時計とキャリーバッグのコーナーはインバウンドでにぎわっていることが多い。8階のレストランフロアには居酒屋も入居している。

 大阪・梅田駅に直結するヨドバシ梅田は、2001年に開業。2019年にはユニクロやニトリが入居する専門店棟の「LINKS UMEDA」が開業し、両者を合わせた延床面積は約22万平方メートルとなった。LINKS UMEDAの地下1階には食品スーパーもあり、衣・食・住がそろう、文字通りのデパートと化している。

2019年にLINKS UMEDAがオープンし、利便性が向上したヨドバシ梅田(出所:ヨドバシホールディングスのプレスリリース)

 米ファンド・フォートレスを通じて西武・そごうの一部店舗を取得したヨドバシHDだが、既に千葉そごう・ジュンヌ館跡地に出店している。今後は西武池袋本店への出店を予定しているほか、西武渋谷店への出店も検討しており、秋葉原・梅田ほどの大規模店を再び出店する可能性は低いが、百貨店跡地を中心に勢力を拡大する見込みだ。

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