生成AIの出現により「需要が増えた・減った」スキルは? エンジニアに調査レバテックIT人材白書2025

» 2025年02月03日 10時00分 公開
[ITmedia]

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 IT人材は2030年に最大で約79万人不足すると予想されている。技術革新の加速や生成AIの普及が進む現代において、専門的な知識やマネジメントスキルを持つ人材の不足といった課題が浮き彫りになっている。

 レバテックは1月30日、IT人材の転職動向や採用概況を調査した「レバテックIT人材白書2025」を発表した。約4割のエンジニアが転職を視野に入れており、7.9%が「転職活動を始めている」、30.7%が「検討している」と回答した。

約4割のエンジニアが転職を検討していることが分かる(画像:以下、プレスリリースより)

 転職後の年収の変化について、58.0%が「増えた」と回答。一方「減った」という回答も18.9%あった。年収の増加幅は「10万円以上30万円未満」(22.5%)が最も多いが、「100万円以上」も24.2%存在した。転職によって大幅な年収アップを実現している。

転職後の年収の変化

生成AIの出現で「需要が増えた・減った」スキルは?

 生成AIへの精通度合いは今後、エンジニアの市場価値に大きく影響を与えるだろう。生成AIの出現により、より重要になったと感じるスキルと、そうでないスキルを調査した。

 より重要になったと感じるスキルの1位は「コミュニケーションスキル」(48.3%)だった。以降「プロンプトのスキル」(38.5%)、「ピープルマネジメントのスキル」(29.8%)と続いた。

 前ほど重要でなくなったと感じるスキルについては、「プログラミングスキル」(26.0%)が最も多い回答だった。2位は「資料作成スキル」(24.6%)、3位は「予算管理スキル」(21.6%)という結果に。生成AIが普及し業務効率化が進んでいることは明らかであり、エンジニアに求められるスキルも変わりつつあるといえるだろう。

生成AIの出現でエンジニアに求められるスキルはどう変化したのか

企業側の採用動向は?

 約4割のエンジニアが転職を視野に入れているとのことだが、企業側の採用動向についてはどうか。

 今年度の採用人数について、43.7%の企業が昨年度と比較して「増加した」と回答した。レバテックが昨年度に実施した調査でも同様の結果となっており、採用人数の増加が続いている様子がうかがえる。

 採用ニーズは高まっている一方、2024年度のエンジニア採用目標を「達成済み」(17.1%)、「達成進捗である」(27.9%)と回答した企業は全体の45.0%にとどまった。そして約2割の企業は「難しい可能性がある」「大きく届かない見込み」と回答しており、苦戦していることが分かる。

今年度の採用人数の達成状況

 採用チャネルを拡大し、IT人材採用に備えている企業もみられた。今年度新たに採用チャネルを増やした企業は35.7%に上った。47.6%が「スカウト型の求人媒体」を追加したと回答。以降、「転職エージェント」(39.2%)、「求人媒体(掲載型)」(37.0%)と続いた。

新たな採用チャネル

 生成AIの活用も注目されている。すでに導入済みの企業は約2割にとどまるが、今後導入を検討している企業は3割以上に上る。主な活用目的としては「求人票の作成」(46.1%)、「採用計画の立案」(41.3%)、「スカウト文の作成」(40.3%)が挙げられた。

採用活動のどの部分に生成AIを活用しているのか

 レバテックは調査を踏まえ、「多くの企業がエンジニア採用を増やす一方で、約4割のIT人材が転職を検討中または活動中と回答しており、雇用の流動性の高さがうかがえる。IT人材不足の解消には、採用活動の強化に加え、長期的な視点での人材育成や組織力の強化がますます重要になる。このような状況下で、企業には積極的な採用活動に加えて、離職防止策の強化や開発組織の生産性向上、未経験者や既存社員に対するリスキリング支援など、包括的な取り組みが求められる」とコメントした。

 調査は、IT人材を採用する企業担当者1000人と20〜59歳のIT人材を対象にインターネットで実施した。期間は2024年11月22〜29日。

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