オフィス移転コンサルティングやオフィス仲介サービスを運営する、HATARABA(東京都渋谷区)は、首都圏と地方都市の働き方や働く環境における調査を実施した。調査から両者の具体的な差が浮き彫りになった。
出社頻度とコロナ禍を経た働き方の変化を調べたところ、首都圏企業では「フル出社」が約6割である一方、地方都市の企業では8割を超える結果となった。
コロナ禍を挟んだ働き方の変化を見ると、首都圏と地方都市の違いが顕著だ。首都圏ではコロナ禍が理由で変化した働き方が今も続いていると答えた人が30%に上ったが、地方都市では18%ほどしか継続していないことが分かった。
コロナ禍は一時的に地方都市の働き方に影響を与えたかもしれないが、定着まではいかなかったようだ。HATARABAは「地方都市にある企業は対面でのコミュニケーションや業務進行を重視する文化が根付いていることが、フル出社率の高さ、コロナ禍で働き方に変化が見られなかったことにつながっている」と推察する。
働く環境を選ぶうえで、どちらの地域でも「立地」が最も重視される要素であることが分かった。しかし、それ以降については、首都圏では集中できるスペースなど「仕事の効率」が上がる設備を求める人が多く、地方都市では、社食やジム、好ましい雰囲気といったオフィスで快適に過ごすための環境を求めていることが明らかになった。
この違いは、地方都市では首都圏に比べてオフィスで働く時間が長いことが影響していると考えられる。
出社に対するハードルについても調査した。首都圏・地方都市ともに「通勤」が最も大きな負担になっている。しかし、地方都市に比べて首都圏の方がより通勤を負担に感じている割合が高く、より強いストレスを抱えていることが分かった。
加えて「オフィスで集中しづらい」「物理的なオフィス環境が整っていない」といった要因も出社のハードルとして首都圏回答者から挙げられた。
地方都市でも通勤がハードルとなる一方で、「職場の人間関係や雰囲気が苦手」といった心理的な要因も課題となっていることが分かった。また「オフィスが雑然としている」「働く環境が快適でない」といった点も、モチベーションを下げる要因として示唆された。
HATARABAは調査を踏まえ「首都圏では、ハイブリッドワークの浸透により自宅でも仕事ができる環境が整っているため、オフィスに出社するからには『自宅よりも業務を効率的に進められる環境』を求める傾向が強く、今後はその整備が課題となると考えられる。地方都市では、福利厚生や快適性を向上させることで職場環境の満足度を高め、より働きやすい環境を整えることが求められている」とコメントした。
調査は首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)と地方都市(北海道、愛知県、大阪府、福岡県)のオフィスワーカー953人を対象にインターネットで実施した。期間は2024年11月26〜29日。
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