熾烈なIT人材争奪戦、ポイントは? 必要なのは「お金」だけじゃない(2/4 ページ)

» 2025年03月18日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

「なぜ、外部に任せるんだ」 “聖域”だった採用業務

 やや古いデータだが、矢野経済研究所が2023年に発表した調査結果によると、採用代行の市場規模は2021年度に前年比15.0%増の628億円。2022年は同12.4%増の706億円と予測していた。筆者調べでも、同市場は世界で毎年15%以上の成長を見せている。今後も国内外でさらに成長していきそうだが、芦川氏によると以前は認知度が低く、抵抗感を持たれることもあったようだ。

 「私が前職のリクルートを退職した2012年当時、採用代行は今ほど一般的ではありませんでした。『なぜ社外の人間に採用を任せるんだ』と社長が口を出すこともありました。長らく人事の業務は“聖域”で、外に出すなんてあり得ないとされていたように感じます」(芦川氏)

 その後、IT業界を中心に採用代行を利用する企業が増えたのは、同業界の専門性が高まっていることが一因だろう。エンジニア未経験の人事担当者だけで採用を進めるのは難しくなってきた。採用活動に使うプラットフォームが増える中、人材に「選ばれる」ような企業側のマーケティングも重要になっている。特にIT人材は、経済産業省によると2030年に約79万人の不足が見込まれており、企業間の獲得競争が熾烈(しれつ)だ。

出所:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」

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