熾烈なIT人材争奪戦、ポイントは? 必要なのは「お金」だけじゃない(1/4 ページ)

» 2025年03月18日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


 「エンジニアが働く環境を改善したい」という思いで、2019年にリクルート出身の芦川由香氏が創業した採用代行サービスなどを手掛けるレイン(東京都千代田区)。前回の記事(『農学部→SIer→リクルート 異色の経歴から「IT人材問題」を解決するサービスが生まれたワケ』)では、大学で農学部に進んだ芦川氏がSIer企業に就職して味わった挫折やエンジニア業界に感じた課題。その思いを基にして、HR業界でキャリアを積んできたことなどを解説した。

 後編となる今回の記事では、具体的にレインがどのような事業を展開しているのかに加え、IT人材採用におけるポイントなどを解説していく。

採用代行や、HRコンサルティングを展開しているレイン

なぜ、企業は採用代行サービスを頼るのか

 現在、レインは約40人の正社員を抱え、業務委託を含めると70〜80人に規模に達している。IT人材の採用代行を中心に、HR関連事業のコンサルティング事業を展開しており、オムロンやコクヨ、日立製作所などが取引先に名を連ねる。

 採用代行では、書類選考や面接などの業務を人事の代わりに請け負う。そもそも、なぜ企業はレインのような採用代行サービスを利用するのだろうか。芦川氏は次のように分析する。

 「DXの必要性が高まる昨今ですが、企業の人事担当者はITが専門ではないケースが多いんです。特に、非IT系企業の人事担当者は、ほとんどエンジニア経験がありません。そのため、IT人材の必要性は理解しつつも、具体的にどういった人材を採用したら良いか分からないという課題に直面しがちなのです。こうした背景から、当社のような採用代行サービスのニーズが高まっていると考えています」

 例えば、企業がIT人材の募集をする際に、必要以上にオーバースペックな条件を出してしまうケースもあるようだ。こうした場合、募集要項を見直せば人材にかけるコストを削減できる可能性がある。

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