「価格据え置き」でどこまで耐えられる? サイゼが物価高でも値上げせずにいられる理由(1/3 ページ)

» 2025年03月27日 06時00分 公開
[山口伸ITmedia]

著者プロフィール

山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_


 サイゼリヤは2月、グランドメニューを改定した。ポップコーンシュリンプを使ったグラタン、ドリアなど新メニューを追加するとともに、引き続き値上げは行わず「ミラノ風ドリア」は300円、「カルボナーラ」は500円を維持している。低価格路線に対する消費者の評価は高く、SNSではサイゼリヤに対する批判が逆に炎上することも多い。

 値上げを避ける一方、長期的にはメニューの絞り込みを行ってきた。かつて提供していた「カントッチョ」のような珍しい料理は少なくなり、限られた商品数で効率化を図る様子はファストフードの様相だ。

値上げ圧力には耐えているサイゼリヤだが……

終売が惜しまれるメニューも

 サイゼリヤは2024年10月にもメニュー改定をしており、四角い小さな「カリッとポテト」の終売が話題となった。この2月の改定ではポップコーンシュリンプを使ったグラタンとドリアを追加したほか、4等分の「プチフォッカ」を1枚の「フォッカチオ」に変更している。小さなフランスパン様の「ミニフィセル」は終売した。

 コロナ禍以降、外食各社が値上げを進める一方でサイゼリヤは値上げせず、低価格路線を継続している。最新の価格改定は2020年7月に行った「99円」などの端数表示終了で、それでも値上げのほとんどはわずか1円だ。

 定番のミラノ風ドリアは300円、単品メニューのほとんどは500円以下。サイゼリヤの客単価は800円台であり、外食1000円時代においても安さを維持している。

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