山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
ゼンショーホールディングス(HD)傘下の「すき家」は、4月4日午前9時に営業を再開する予定だ。ことの発端は3月に発覚した「ネズミ混入事件」だ。1月に鳥取南吉方店でみそ汁にネズミが混入する事案が発生していたことが3月になって明らかになり、当初は全店を閉鎖するつもりはなかったものの、3月28日に昭島駅南店で害虫が商品に混入していたのが追い打ちをかけ、全店の臨時休業に踏み切った。
すき家は害虫・害獣の外部侵入及び内部発生の防止策を進めるとしている。ネズミの混入でオペレーション面の課題が浮き彫りになり、さらに事件直後の対応では過去の炎上事例と同じミスを犯した格好だ。SNSがここまで発達した昨今、企業は不祥事などを隠ぺいすることが困難になっており、自社から公表する必要があったといえる。
ここまでの情報をまとめると、すき家でみそ汁にネズミが混入する事態が発生したのは1月21日。当該商品を提供された消費者が、同月中に写真をGoogleマップのレビューに投稿していた。しかし、当初は拡散されず話題にもならなかった。その後、3月に写真がXで拡散するとメディアも取り上げ始め、3月22日にすき家は「第1報」を公表。同27日には第2報を公表し、時系列と事件への対応を明らかにした。
同社によると、検査の結果からネズミがみそ汁の鍋に混入した可能性は低いという。みそ汁の具材を入れた椀を冷蔵庫で保管する際にネズミが椀に入り、混入してしまったと主張している。ネズミは冷蔵庫下部にあるパッキンのひび割れから侵入したようだ。
第2報の時点では、ゴミ庫の冷蔵化や店舗におけるクラックや隙間の点検などを進めるとしていたが、3月29日には全店閉鎖を公表した。前日(28日)に都内・昭島駅南店で、害虫(報道によるとゴキブリ)が混入した商品を提供してしまい、消費者からのクレームがあったという。混入が相次いだ状況を踏まえ、全店の臨時休業を決定した。
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