山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
追加料金を支払えば行列に並ばずに入店できる「ファストパス」の導入が進んでいる。例えば、飲食店の予約管理システムなどを手掛けるTableCheck(東京都中央区)の「TableCheck FastPass」といったサービスも出ており、ラーメン店での利用が多いようだ。もともと、ファストパスを世に広めたのは東京ディズニーランドだ。国内では2000年から導入、2022年からは有料化した「ディズニー・プレミアアクセス」となっている。
大阪・関西万博では一部フードコートの座席を有料席としており、550円で50分座れる仕組みだ。ファストパスとはうたっていないが、優先的に座れ、混雑解消をもたらしている点で同じ機能を果たしている。主に遊園地などで見られるファストパスだが、今後飲食店でさらに普及する見込みはあるのだろうか。その可能性を探っていく。
ファストパスを有名にした東京ディズニーランドでは、各アトラクション前にある発券機にパスポート(入場券)をかざすと、時間指定のファストパスが発行される仕組みだった。指定の時間帯にファストパスを持っていけば、行列に並ばず優先的にアトラクションに乗れる。
コロナ禍以降、東京ディズニーランド・シーはチケットの値上げや年間パスポートの廃止など、全般的な値上げを進めており、その一環でファストパスは廃止に。2022年からは有料化したディズニー・プレミアアクセスを導入し、アプリで1500〜2500円の追加料金を支払うと優先的に乗れるシステムとなった。無料版は40周年記念の「プライオリティパス」のように、イベント時に限っている。
ファストパスのような優先券は、主に遊園地などで普及してきた経緯がある。富士急ハイランドでは有料の「絶叫優先券」を発行しており、購入者は絶叫系のアトラクションに優先して乗れる。ひらかたパークの「優先乗車券」も同様の仕組みだ。
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