それでは次に、「静かな退職」を選ぶ若者たちは、どんな仕事の仕方をしているのか。具体例を3つ挙げてみよう。
例えば、データ入力を頼まれたら、その作業だけを行う。効率化の提案もしない。他人のミスを見つけても報告しない。時間内に終わらせることだけを目的とする。
会議に出席はするが、意見は求められない限り言わない。議事録係を頼まれても最低限の記録のみ。改善案や新しいアイデアを出すことはない。
残業は一切しない。たとえチームが忙しくてもサポートする気はない。「自分の仕事は終わった」という理由で、周囲への配慮もない。
これらに共通するのは「最低限の仕事」という考え方だ。しかし、ここで問題がある。本人にとっての「最低限」と、会社にとっての「最低限」は大きく異なることだ。
「最低限の仕事」しかしていないと、ドンドン「視座」が低くなる。何が「過重労働」なのかも、分かりづらくならないか。視座が低い状態で「最低限の仕事はしている」と主張しても、会社からは評価されないだろう。「ほぼ仕事をしていない」と思われても反論できない。俯瞰(ふかん)力がないため、組織で必要とされる仕事の全体像がつかめていないからだ。
こうなると、本人の主張と会社の見解とのギャップは広がっていくに違いない。「静かな退職」を選ぶ要因について3つ書いたが、もし本人の主観だけで客観的な裏付けがなければ、これらの要因についても説得力がなくなってくる。
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