旅の計画づくりにも生成AIが利用されつつある。JTB総合研究所(東京都品川区)の調査では、約8割が旅行に関連して生成AIを使った経験があることが分かった。旅行者にとって、生成AIはどのようなニーズがあるのだろうか。
過去1年以内に1回以上、泊りがけの観光旅行をした経験があり、かつ生成AIを週に数回以上利用している人(432人)、または日常的に生成AIを利用している人(29人)から回答を得た。
生成AI利用者の77.8%が、旅行に関連して「生成AIを利用した経験がある」と回答した。特に女性20代では89.3%、男性30代では85.7%と、若年層を中心に利用率が高い傾向が出ている。
旅行に際して生成AIを活用してみたいことについては、「旅行の行程作成やルート提案」(35.6%)、「交通手段の検索・予約」(32.2%)、「旅行先のグルメ情報検索」(29.9%)が上位に。効率的な旅程の計画や、現地の情報収集に対するニーズが高いことが明らかになった。
その他、「観光スポットの解説」(28.7%)、「混雑状況の予測」(26.6%)など、リアルタイムで役立つ情報の提供に関する回答も見られた。
一方で、生成AI利用のデメリットについては「正確な情報でない場合がある」が最も多い結果となった。
同社は「観光事業者は、AIでは補えない『安心・安全』の担保や、信頼性の高い情報の選定と提供、万一のトラブル時には責任を持って対応できる体制がこれまで以上に重要な価値になるのでは」とコメントしている。
旅行の用途に限らない、生成AI全般の利用率は46.7%となった。年代・性別ごとに見ると、最も利用率が高かったのは、女性20代となり61.4%、男性30代が57.0%で続いた。また、女性20代は利用頻度も高く、30.0%が「毎日、1回以上利用している」と回答した。
生成AIを「無料の範囲で利用している」と回答した人は、72.5%と過半数を占めた。一方で「プライベートで有料版を利用している」は、24.6%と3割に迫る結果に。有料版を利用している人も一定数いると明らかになった。
生成AIの利用場面については「知りたいことが漠然としている・検索キーワードが分からない時」が最も多く48.4%。「仕事や学業などの質や効率を上げる」(40.5%)、「自分ではできないことをやってもらう(画像や動画生成など)」(40.0%)と続いた。
男女共に40代は「日常の相談事」、女性20代は「人には聞けないことを聞く」「単純に会話を楽しむ」とした人が多かった。また、有料版の利用者は「自分ではできないことをやってもらう」「人には聞けないことを聞く」「単純に会話を楽しむ」と回答する人が多い結果となった。
生成AIを人々はどのような存在としてとらえているのか。最も多い回答は「高度な情報検索ツール」となり32.2%に上った。その他「良き相談相手」(15.0%)、「信頼できる友人」(10.4%)が上位となった。年代が高いほど、「高度な情報検索ツール」とする割合が高くなる一方、女性20代は「ペット」「恋人」、男性20代や有料版の利用者は「自分の一部」と回答する割合が比較的高い傾向となった。
回答者からは、
――といった声が寄せられた。
調査は7月16〜29日にインターネットで実施した。
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