テキストデータのみを判断基準としていることから、候補者の見た目は影響しない。
「AI面接官は候補者の見た目や性別、人種を判断しません。口角が上がっているなど顔の表情も認識せず、テキストデータのみで判断します。そもそも、面接前のエントリーシート入力の段階で学校名や性別などの情報は求められません」(同)
とはいえAI面接官では面接の録画データを企業側に提供する。別の面接で企業担当者が録画データを参考にする可能性もあるため、候補者は従来通り服装や態度に気を付けた方が良いかもしれない。
AI面接官はエントリー数が多い大企業をターゲットとしており、業種は問わないとしている。現状は新卒採用での利用が8割ほどを占めるという。AI面接官のメリットについて小澤氏は次のように語る。
「面接官によるばらつきを防げるので、採用場面における公平性の向上につながり、評価精度も受験データの蓄積とともに向上します。1次書類選考と1次面接をAI面接官が担当する形になるので時間的なメリットもありますが、それ以上に、企業側はより多くの候補者と接触できる点をメリットと感じているようです」(同)
企業にもよるが、1次面接では基本的な受け答えの能力を判断し、2次面接以降で専門的な内容の深掘りや幹部面接を行う場合が多い。膨大な数に及ぶ1次面接のAI化はコスト面でのメリットが大きいと考えられる。
VARIETAS以外の企業が提供するAI面接の関連サービスも、人間性や性格を評価し、採用活動の初期をターゲットにしたものが多い。これまでは書類選考が主だったが、まずAIと面接する方式の選考が、一般化していくかもしれない。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
AI面接は「やる気下がる」学生の8割 賛否分かれる活用法
キリン、「AI面接官」導入 人事が見いだしきれなかった「学生の特徴」をAIが発見Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング