星野リゾート(長野県軽井沢町)は25日、奈良県明日香村で高級ホテル「星のや飛鳥」を2027年に開業すると発表した。「星のや」は同社の旗艦ブランドで、奈良では旧奈良監獄を活用した「星のや奈良監獄」(奈良市、全48室)も来春に開業予定。同ホテルに併設するミュージアムを来年4月27日に開館することも明らかにし、奈良県内で展開を広げる方針を示した。
星のや飛鳥は近鉄吉野線飛鳥駅西側に位置し、周辺には石舞台古墳など観光スポットの史跡も豊富にある。客室数は全35室の「スモールラグジュアリーホテル」で、より上質な客室や手厚いサービス、特別な体験を求める層のニーズを見込む。星のやは現在、国内外に8施設を展開している。
星のや奈良監獄に併設するミュージアムは、監獄として使われていた当時の状態を残した保存エリアと、監獄から着想したアートなどを紹介する3つの展示棟、カフェや物販店で構成。保存エリアでは独房や看守所を見学できる。少年受刑者の暮らしや規律を紹介する展示もある。
見学者が縛られた自身の生活を振り返るきっかけとなる施設を目指しており、大阪市内で会見した星野佳路(よしはる)代表は「見ると(自分を縛る会社に)辞表を出したくなる」などと展示の面白さをアピールした。
この監獄は17年に国の重要文化財に指定されており、星野氏は、観光客から得た収益を建物の維持費として活用する考えを示したうえで「観光の経済力で文化財を維持していくことが大事な意義だ」と強調した。(田村慶子)
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