サイゼリヤでは、2021年2月に一部店舗でソフトバンクロボティクスの配膳ロボット「Servi」を導入した。すかいらーくよりも導入時期が早いものの、一部店舗にとどまっており実際の店舗で見かける機会は少ない。全店への導入を途中で止めたという報道も出ている。
サイゼリヤは作業のマニュアル化を徹底しており、従業員による皿の持ち手や歩くときのルートなども決めている。時速5キロ以上の早歩きが基本であり、ロボット導入の効果が小さかったとみられる。コロナ禍辺りから国内事業の赤字を海外事業の利益で補う状況が続いたため、DXの余力もなかったのだろう。直近では国内事業の業績も改善し、新たに導入する店舗も見られ、人員確保が難しい店舗では導入が進むかもしれない。
「焼肉きんぐ」は2021年1月に配膳ロボットの導入を進めた。タッチパネルで注文するテーブルバイキング制で、飲み物も含め全料理を店員が配膳する形式のチェーン店だ。客は席を離れる必要がないため、子連れなどファミリー層を中心に支持されている。
運営元の物語コーポレーションはテーブルバイキング制との相性が良いとして配膳ロボットを導入した。同じ系列のしゃぶしゃぶチェーン「ゆず庵」にも導入し、店員とロボットを併用している。同社が採用したのもサイゼリヤと同じServiだ。
その他、焼肉きんぐでは「Keenbot T8」も採用。ロボットのAIカメラでトレイを認識する「物体認識機能」もあるという。1店舗当たり最大で7台を導入し、ロボット同士の連携も行う。2024年3月時点でKeenbot T8を500台以上導入し、開発元のソフトバンクロボティクスと包括的業務提携契約を締結している。
ServiとKeenbot T8は両者とも35キロほどだが、前者は最大搭載重量が30キロであるのに対し、後者は15キロで少ない。また、後者の方が幅は10センチ小さい。Keenbot T8の方が身軽な印象だ。同業では牛角や安楽亭の店舗でも配膳ロボットの実績がある。
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