「伝わる資料」の作り方 アイデアに詰まったときの打開策は?(2/3 ページ)

» 2025年10月09日 08時30分 公開
[ITmedia]

――AIツールの活用についてはいかがですか?

 ここ最近はChatGPTを活用しています。自分の頭の中で整理した構成や文脈をAIに読み込ませることで、初期構成のたたき台を短時間で作れるようになりました。写真選びや構成案の調整にかかっていた時間が大幅に短縮され、資料作成の工数は30%以上削減できています。

 とはいえ、現場レベルでAI活用が進んでいる企業は少なく、特に大企業ではまだ「人が作る資料」が主流です。AIはあくまで補助的なツールであり、核となるメッセージやゴール設定は人間が考えるべきだと考えています。

――報告資料や営業資料など、プレゼンの種類によって構成は変わりますか?

 プレゼンには大きく分けて3つの型があります。

  1. 課題解決型:クライアント向けや企画提案など
  2. 報告型:定例ミーティングや実績報告
  3. 依頼型:関係部署や関係者への協力依頼

 報告型プレゼンでも、単なる事実の羅列で終わらせず、新たな課題や次のアクションを必ず添えるようにしています。

 報告資料も「課題→原因→解決策→効果→次のアクション」という流れで組み立てることで、資料全体に一貫性が生まれ、聞き手の理解度が高まります。

――情報を詰め込みすぎてしまう……という課題もよくありますが、どう整理すべきでしょうか?

 最もありがちな失敗が「情報過多による構成崩壊」です。上司の意見や関係者の要望を全て入れた結果、スライドが雑多になってしまうケースは非常に多い。

 判断基準の1つとして私が提案しているのは、接続詞をチェックすることです。例えば、スライドとスライドのつながりを「加えて」「さらに」でつなげている場合、それはなくても成立する余剰情報である可能性が高いでしょう。

 本当に伝えるべき内容は「だから」「つまり」「したがって」といった論理接続詞でつながるはず。この視点で情報を見直すと、削ぎ落とすべき要素が自然と見えてきます。

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