リチウムイオン電池を内蔵したモバイルバッテリーが発火・発煙する事故が相次いでいる。背景の一つが、ネット通販を介した低品質な海外製品の普及だ。政府は12月から法改正で事実上、「野放し」となっていた海外事業者への規制を強化する方針だが、新たなルールが守られるかどうかの担保はなく、先行きは不透明といえる。ただ安全基準を満たした製品でも使い方次第で危険性はある。関連市場が拡大する中、消費者へのリスク啓発が求められる。
「避難してください」。6日未明、京都駅近くのホテルで火災報知機が鳴動し、アナウンスが繰り返された。現場では宿泊客ら約1400人が非常階段やエントランスから逃げ出した。
消防などによると、火元は2階の客室で、中国籍の30代の女性2人が宿泊。室内にあったモバイルバッテリーと机が燃えた。女性らは消防の調査にバッテリーは海外製だが、現地での安全基準を満たした製品だと説明。ただ燃え方が激しく、製品の特定には至らなかった。
同様のトラブルが各地で続く。9日には那覇発羽田行きの旅客機内でモバイルバッテリーから煙が出た。客席の足元にあった乗客のかばんから煙が上がり、隣の乗客が水をかけて消した。
さらに21日には、中国のモバイルバッテリーメーカーの日本法人アンカー・ジャパンが計4製品について発火の恐れがあるため自主回収すると発表。経済産業省によると対象製品は約52万台に上る。アンカーによると、製品の発火を受けて調査した結果、バッテリー関連部品の委託先の製造工程で異物が混入した可能性が判明した。
くら寿司“しょうゆボトルなめ女”問題 「損害賠償請求しないほうがいい」と考える3つの理由copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
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