出前館の業績は赤字続きだが、LINEや傘下のファンドがたびたび出資しており、自己資本比率は7割超で財務は健全だ。とはいえ、ウーバーが市場を押さえ、黒字化も達成したことから、勝者総取り合戦の勝者が決まりつつあるといえるかもしれない。
ECではAmazonと楽天が拮抗している。両者とも似たようなサービスではあるものの、後者は「楽天経済圏」を築き上げている。楽天カードの利用者がポイント目当てに楽天を使用するため、Amazonに対する優位性を維持している。
対する出前館にはそのような優位性がほとんどない。LINEとの連携はできるが、効果は低い。9月から一部店舗で宅配商品を店頭価格と同額で提供するサービスを開始したが、同サービスはウーバーの方が5カ月も早く実施している。
「デリバリーといえばウーバー」という認識が広がっている以上、新規ユーザーに出前館のアプリをインストールさせるのも難しい状況だ。「LINEアプリ上で出前館を利用できる」といった革新的な取り組みがない限り、出前館の復活は難しいと筆者は考えている。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
ビッグマックが1000円超 ウーバーや出前館が地方でなかなか浸透しない理由
配達員トラブル多発のウーバーが、「不祥事相次ぐセブン」と妙に重なるワケCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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