2025年4月、改正高年齢者雇用安定法(高齢法)の施行によって、すべての企業で希望者全員の65歳までの雇用が完全に義務化された。これまでは、労使協定による対象者基準の選別を一部認める経過措置が設けられていたが、それが撤廃されたのだ。希望者全員の雇用義務が生じる、実質的な65歳定年ともいえる。
さらに2021年4月の改正高齢法の施行により、65歳までの就業確保措置に加えて、65〜70歳の就業機会を確保するための高年齢者就業確保措置が企業の努力義務とされた。その努力義務の施行から、2026年4月に5年目を迎える。
実は、政府は高年齢就業確保措置の義務化も視野に入れている。「成長戦略実行計画」(2020年6月21日閣議決定)では、努力義務の第1段階の実態の進捗を踏まえ、以下のように述べていた。
「第二段階として、現行法のような企業名公表による担保(いわゆる義務化)のための法制化を検討する。この際は、かつての立法例のように、健康状態が良くない、出勤率が低いなど労使が合意した場合について、適用除外規定を設けることについて検討する」
法律の提出時期については「混乱が生じないよう、65歳(現在63歳、2025年施行完了予定)までの現行法制度は、改正を検討しないこととする」としていた。その上で、実行計画の70歳までの就業機会確保の工程表では「施行後における就業機会確保の実態の進捗を踏まえて、70歳までの就業機会確保について義務化のための法改正を検討する」となっていた。
2025年4月をもって65歳までの完全義務化は完了したが、これに続き、第2段階として70歳までの雇用義務化を目指す法改正の検討が、2026年から始まることが示唆されている。
ちなみに、実行計画の工程表ではKPI(目標達成指標)として、65〜69歳の2025年の就業率を51.6%に設定していた。2024年は男性64.8%、女性45.2%に達し、法改正の機は熟しているともいえる。
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