横浜で育ったXRエンタメ 1年で見えてきた新しい観客像(1/2 ページ)

» 2025年12月10日 08時56分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 ゴーグルを使って現実世界と仮想空間を融合させる「クロスリアリティー(XR)」技術を用いたエンターテインメント施設「イマーシブ・ジャーニー」(横浜市西区)が、今月で開業1年を迎えた。「古代エジプトの謎」や「印象派絵画の誕生」がテーマのコンテンツを提供し、12万人以上を集客する人気スポットに育った。当初は新技術への関心が強いマニア層を引き付けるかと思われたが、今では女性客や熟年層、高齢者も含む家族連れが目立つように変わってきた。

photo ゴーグルを着けてXR作品を鑑賞する「イマーシブ・ジャーニー」の館内。車いすでの体験も容易だ=横浜市西区(山沢義徳撮影)

技術への関心でなく

 「ここにオープンして正解だった」と手応えを語るのは、同館を運営するXR企画会社「シネマリープ」(東京都品川区)の大橋哲也代表。同じフロアで同時に数十人が歩き回るという体験型コンテンツの特性から1千平方メートル級の広さが必要だが、都内では適した物件が見当たらず、横浜で開設を決めた。

photo XR作品「ホライゾン・オブ・クフ」の一場面 © Excurio

 しかし横浜駅直結のビル内という便の良さもあり、客足は関東一円から集まった。意外だったのは、客層の広がりだ。「オープン当初はガジェット(最新の電子機器など)の好きな若い男性客が中心だったが、徐々に変化してきた」。

 年間実績では女性客が約65%。特に40〜60歳代の割合が高かった。一体なぜなのか。同社の待場勝利取締役はこう分析する。「XRという新技術への関心というより、文化の面。古代エジプトや印象派というテーマ自体に興味を持って来館されている」。

 フロアを見渡すと、同伴者に車いすを押されながらXRを楽しむ高齢者の姿もちらほら。たとえ移動が難しい人でも“時空を超えた旅”へ共に没入できるという、バリアフリーな特長も客層を広げているようだ。

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