帝国データバンクは、家庭でカレーライスを調理する際に必要な原材料や光熱費などの全国平均価格を基に、食卓への物価高の影響を表した「カレーライス物価指数」を発表した。
2025年10月のカレーライス物価は1食451円となり、前年同月から80円(21.6%)値上がりした。16カ月連続で前年同月比2桁を超える上昇が続き、過去10年で最高値を更新した。
前月(9月)の438円からは13円増え、2カ月連続で増加した。帝国データバンクは、今夏に続く「第二次カレーショック」の兆しが見られると分析した。
構成費用の内訳で最も高いのは、全体の約5割を占める「カレー具材(肉・野菜)」で217円だった。前年同月から16円増加し、2025年9月比では4円上昇した。タマネギの他、ジャガイモも夏場の高温・少雨の影響で不作傾向が強まり、出荷価格が上昇した。輸入牛肉も米国産の値上がりや円安の影響で高値となった。
「ごはん(ライス)」は前年同月の142円から43.0%増の203円となり、初めて200円を超えた。野菜類と同様に価格が安定していた局面から一転し、大幅な上昇傾向となった。今夏に深刻化した「コメ不足」を上回る高値となっている。
「カレールー」(28円)は市販ルーや食用油の値上げが影響し、前月から1円上昇。「水道光熱費」(4円)は横ばいだった。
東京都区部の物価動向に基づく2025年11月の試算では、カレーライス物価は最高で1食460円台に達する見込みだ。比較可能な2015年以降で今年10月を上回り、再び最高値を更新する予想だ。
背景にはコメ価格の急伸がある。精米5キログラムが店頭で5000円を超える高値が続き、カレー物価を押し上げた。さらに、野菜3種(ニンジン・ジャガイモ・タマネギ)も高温少雨や日照不足の影響で高値圏が続くとみられる。
集計対象外ではあるものの、これまでコシヒカリより割安だった他の銘柄米(単一原料)でも価格が急騰している。コシヒカリ価格とそん色ない水準で推移しており、今冬は食卓への物価高がより強く反映される見通しだ。
本試算で用いた価格データは総務省「小売物価統計調査」に基づく全国平均値で、調理シーンは「6食分(市販のカレールー1/2パック)をまとめて調理した」ものとした。
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