今話題を集めている"一風変わった"、面白い仕掛けのある広告を取材し、狙いやこだわり、アイデアの原点を探る。
なんかほっこりする──高輪ゲートウェイに掲出されたクリスマス広告が、Xを中心に話題となっている。
「隣の席の久保さんの心に。取引先の丸山さんの心に。親戚の真里子さんの心に。今乗ってる電車の運転士さんの心に。さっき行ったコンビニのレジの人の心に。(中略)クリスマスが、やってきた!」
大型サイネージには、クリスマスツリーの輪郭を描くように、ボディコピーが記されている。
「隣の席の久保さん」という身近な人から始まり、「ヒマラヤ山脈の麓に住む人」「遠い未来の、まだ誰も知らない言葉を喋るあの人」へと徐々に視点が広がり、「私の心に。あなたの心に。やってきた。やってきた。クリスマスが、やってきた!」と、クリスマスの訪れに期待が高まる心の動きを表現している。
本件のクリエイティブディレクターを務めたサン・アドの岩崎亜矢氏が、この広告クリエイティブをSNSに投稿したところ、現地を訪れていない人たちの間でも注目が集まった。
「ホクホクした温度感があるコピーで素敵」「染み渡る」――人と人のつながりを感じさせるコピーに、見たの人の心がほっと温かくなった様子がうかがえる。
JR東日本グループが運営する「TAKANAWA GATEWAY CITY」(高輪ゲートウェイシティ)では、11月29日〜12月25日にクリスマスイベント「TAKANAWA GATEWAY CITY CHRISTMAS」を開催。3月27日の開業後、初のクリスマスとなる。
イベントは「クリスマスが、やってきた。」をテーマとしており、サイネージ広告は開催期間中、高輪ゲートウェイシティ、ニュウマン高輪館内、高輪ゲートウェイ駅、JR東日本の車内にて掲出した。
JR東日本によると、掲出場所で足を止めてサイネージを眺める人も多いという。
このクリエイティブに込めた狙いについて、JR東日本 マーケティング本部 まちづくり部門 品川ユニットの齊藤千明氏に聞いた。
――広告の狙いは
高輪ゲートウェイシティの“街びらき後”に迎える初めてのクリスマス。新しい街を訪れるさまざまな人が皆、温かくなれるクリスマスを作ることを目指しました。
――広告コピーを検討するにあたり、意識したことは
「(こんな時代だし、こんな時代だからこそ、クリスマスだもの、クリスマスくらい)あったかく」というコンセプトを据えて、コピーとビジュアルアイデアを広げていきました。
コピーは「隣の席の久保さん」という身近な人物からスタートし、電車やコンビニなど、誰の日常にもなじみのあるシチュエーションを経て、広大なヒマラヤや宇宙を経由し、最後にはこのコピーを読む“あなた”に到達する流れになっています。
暗いニュースばかりが目立つ世の中ですが、親しい人も、自分にとって遠い人も、このクリスマスにみんなまとめて幸せが訪れますように、という思いを込めています。
「あったかく」という、企画の核となる部分を制作チームの間で共有できていたことが、プロジェクトを進める上で大きかったと思います。
分断や不安が語られがちな時代に、誰かを思いやる気持ちをストレートに表現したコピーが共感を集めたようだ。
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