「即席麺」で“日韓戦”が勃発? 「辛さ」を売りに勢力を拡大する韓国メーカーの戦略(2/3 ページ)

» 2025年12月30日 05時00分 公開
[山口伸ITmedia]

辛さを武器に人気の韓国勢

 近年は同市場で韓国勢が台頭しつつある。「辛ラーメン」や「ノグリ」「カムジャ麺」などを製造する農心がその代表格だ。ロッテ創業者の弟、辛春浩氏が即席麺事業を展開しようとしたが、兄が「時期尚早だ」として反対したことから、独立・創業に至った。

農心の「辛ラーメン」(出所:同社公式Webサイト)

 辛ラーメンは文字通り辛いラーメンだ。日本で発売してから40年が経過しているが、特に近年はK-POP人気とともに韓国への旅行者が増え、国内で認知されるようになった。新大久保の韓国物産店だけでなく、通常のスーパーにも置かれている。

 日本国内の即席麺は醤油・塩・味噌・豚骨などが主流で辛さを前面に出すラーメンは少なかった。日本の即席麺市場に「辛いラーメン」という新ジャンルを追加した存在といえる。農心も競合が多い日本では「おいしさ」を訴求するのではなく、辛さをアピールしているという。

 その他、ノグリは海鮮系をベースに太い麺を使った即席麺で、カムジャ麺はジャガイモの粉末をベースにした麺を使っている。両者は辛ラーメンとともに日本での販売数量を増やし、農心の日本国内における売上高は2017年に50億円だったところ、2026年は200億円を目標としている。まだ日清食品や東洋水産と比べて規模は小さいが、存在感を示しつつある。

海鮮系ベースの「ノグリ」(同前)
「カムジャ麺」は、ジャガイモベースの麺が特徴的だ(同前)

 特に北米ではマルちゃんが売れているように、節約志向などを背景に世界では即席麺の市場が拡大している。農心の北米における売上高は2022年に600億円を超えて、日清を上回った(首位は東洋水産)。欧州の売上高も1億ドルほどの規模で、日本と同じく「辛さ」が好まれている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR