1963年に韓国初の即席麺とされる「三養ラーメン」を発売した三養食品も注目だ。朝鮮戦争の影響もあり、経済発展していなかった時代に、明星食品の社長が韓国の食糧事情に同情し、技術供与をしたとされる。ピリ辛の醤油味だが、辛さは辛ラーメンより控えめで、そのちょうど良い辛さが韓国の消費者に受けている。
日本で三養ラーメンの知名度は低いが、同社の「ブルダック炒め麺」は若者を中心によく知られている。「火」を意味するブルと、「鶏」のダックを合わせた商品名で、チキン風味の辛い味が特徴的だ。即席麺タイプの場合は、沸騰させた湯の中で麺をほぐし、湯切りして取り出す。その後、麺に少量のゆで汁やソースをかけて炒める。汁なしラーメンのような料理である。
良くも悪くもジャンキーな味が特徴的で、チーズやカルボナーラ風味の商品もある。卵やチーズをのせるなど、アレンジしたレシピがSNSに投稿され、話題となった。
ブルダック炒め麺は日本・韓国だけでなく、米国やアジア諸国にも進出している。辛さを強化した商品もあり、米国では辛さにチャレンジする動画が次々に投稿され、認知度向上につながった。三養食品の海外売上高は2024年に約1500億円を記録し、約4分の1を米国と中国市場が占める。欧州も強化中で、2023年に現地法人を構えた。農心の辛ラーメンと同様に辛さを明確に打ち出しながら、海外の売り上げを伸ばしている。
米国における即席麺の市場規模は2022年に22億ドルとなり、2019年比で1.6倍ほどに拡大した。コロナ禍で備蓄できる利便性や、その安さが注目され、市場規模は拡大している。一時的なブームではなく、食文化として定着するフェーズにある。日韓両方のメーカーが売り上げを伸ばしているが、辛さを武器とする韓国勢は日本勢にとって強力なライバルとなるだろう。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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