この記事は、金間大介氏、酒井崇匡氏の著書『仕事に「生きがい」はいりません 30年の調査データが明かすZ世代のリアル』(SBクリエイティブ、2025年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
働き方改革の裏側で、仕事と生きがいが切り離されつつあること、生きがいが趣味や推し活などに多様化しつつあること、日本だけでなく諸外国でも同様の潮流が現れていることが、数々のデータから分かってきている。
もちろん、仕事は誰にとっても生きがいでなくなるか、というとそうはならないはずだ。生活総研の「若者調査」によると、未だに一定数の若者が「きつくてもやりがいのある仕事」を選択している。
調査対象者の約8割は学生なので、まだ現実の仕事の厳しさを知らないとはいえ、就職して以降、実際に仕事に生きがいを見いだす若者は一定数存在するだろう。
ただし、そんな考えを持つ若者は少数派となっていくことは否めない。内閣府の「国民生活に関する世論調査」における問いで、「生きがいを見つけるために働く」と回答したのは18〜29歳のうち12.8%に過ぎない。
人材市場の中では、今後若者がどんどん少なくなっていくため構造的に売り手市場が継続するだろう。そのため必死に働かないと生き残れない、という就職氷河期のような環境になっていくことは想定しにくい。
ハードワークというのは必要に迫られて行うものではなく、仕事に生きがいを見出す一部の若者が自分の意思で選択する、一種の趣味のようなものになるのではないだろうか。これからの職場では、そのような一部の仕事に生きがいを見出す若者がリーダーシップを発揮し、それ以外を引っ張っていく構造になる。
そしてそのような若者にとっては、働き方改革による労働時間の制限は一種の足かせかもしれない。
事実、某企業の労働組合には、最近若手社員から「バリバリ仕事して業界で有名になってやるぞ!と思って入社したのに、労働時間の拘束のせいで全然働けない」という不満が結構寄せられているらしい。
政治の側でも、折からの人材不足を解消する手段として「オーバーワーク防止には十分に配慮しつつも、働きたい人は働けるように労働時間の規制緩和を」と訴える政党も出てきつつある。
近い将来、職場の中でも大半を占める「マイルドワーク」希望者と、一部のガチ勢、という区分が今以上にはっきりしてくるかもしれない。
仕事に「生きがい」はいりません 30年の調査データが明かすZ世代のリアル
職場・家庭・社会で「若者」と向き合うすべての人へ。
30年の観測調査データで、謎に満ちた素顔が明らかに。
これが彼らの、表には出さない本音
仕事・消費・恋愛・コミュニケーションに至るまで、多面的な切り口から世代間ギャップを解説し尽くす。
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