アシックスの転機は、2000年代前半にありました。子どもの減少により、野球人口は2005年の約1250万人から10年で680万人へと半減し、ゴルフ人口も3分の2へと大幅に縮小。業績が厳しくなる中、アシックスは大きな決断を下します。ゴルフ、水泳、学校体育用品といった事業から撤退し、ランニングに経営資源を集中する戦略を採用したのです。
この選択と集中が、功を奏しました。2024年12月期の売上高は6785億円に達し、営業利益は1001億円と過去最高水準を記録しています。ランニングという単一の領域に集中した戦略が、大きな成長をもたらしました。
一方、ミズノも同じ時期に苦しい状況にありました。2016年の決算時に、ミズノは業務改善を宣言し、米州(北米と南米)の在庫圧縮や事業再編などに取り組みました。その結果、2018年3月期には営業利益を前年同期比5.5倍に増やすことに成功しています。
ただ、この「5.5倍」という数字には注意が必要です。2017年3月期の売上高は約1800億円あるにもかかわらず、営業利益はわずか14億円ほど。その5.5倍になったとはいえ、営業利益は80億円をかろうじて超えた程度です。
同時期のアシックスの売上高は4001億円で、ミズノの約2倍に達しました。営業利益は195億円であったことからも、売上規模と営業利益の両面で、両社には大きな差がついていました。
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