また、広告宣伝費などの「販管費」の使い方や、それによるブランド認知の向上も、アシックスとミズノの業績の差に大きな影響を与えています。
アシックスとミズノの成長率の差は、コロナ禍前における「先行投資」への姿勢の違いに起因しています。
アシックスはブランド再構築のために広告宣伝費等を積み増し、販管費率は2016年の37.9%から、2019年には47.5%へと約10ポイントも上昇しました。対照的に、ミズノは同期間も37%程度の水準を維持する堅実な運営を続けました。
この時期にアシックスが敢行した積極的な投資が、現在のブランド力向上として結実しています。その結果、ミズノの売上高成長率が平均3%程度にとどまるのに対し、アシックスはコロナ後、年率20%近い急成長を遂げており、過去の投資判断がその後の成長軌道に決定的な影響を与えたと考えられます。
また、両社のブランド戦略にも、明確な違いがあります。アシックスは、機能性重視のランニング用のブランドと、ファッション性の高いオニツカタイガーという2つの軸で展開しています。ランニングを軸にフットウエアを展開するという、明確な戦略を採用しています。
一方のミズノは、最近こそファッションにも力を入れていますが、基本的には競技用品が中心です。前述のように、事業の「選択と集中」を行い、野球用のバットやグローブの生産終了を発表したアシックスに対し、ミズノはこれらの事業を維持。手作業にこだわった日本製の野球グローブやバットを生産し、その様子をWebサイトで紹介するなど、日本の職人技を打ち出しています。
選択と集中を行い、ランニングを軸にブランド力を向上させたアシックスと、さまざまなスポーツに対応するミズノ。このブランド戦略の差が、現在の売り上げと利益の差につながっています。
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