現場の「作業着」が一般客に人気、理由は?(1/3 ページ)

» 2026年01月11日 11時42分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 工事現場などで職人が着ている作業着が、一般層にも売れているという。理由は機能性と手頃な価格、そして「街で着ても違和感のない」デザイン性だ。東京都内の専門店では猛暑の昨夏、電動ファン付きウエアがインバウンド(訪日客)に大売れ。冬季は電熱ヒーター付きブルゾンが野外スポーツ観戦用に買い求められたり、和食料理人の甚平白衣をすしパーティーで着たいという欧米人のコスプレ需要があったり…。実用一辺倒と思いきや、なかなかに奥が深くて面白い作業着の世界をのぞいてみた。

photo デニムの作業着と甚平白衣を着用。左端のマネキンは電動ファン付きウエア=東京都台東区のビックユニフォーム上野店(重松明子撮影)

発端は「忍者」に注目した外国人

 JR上野駅(東京都台東区)近くの「ビックユニフォーム上野店」は、白衣・作業着製造販売の老舗、三光白衣(本社・東京都新宿区)の直営店だ。本来は法人需要がメインだが、浅草やかっぱ橋道具街に近い立地もあり、来店の7割が個人客で、うち3割を外国人が占める。それらが押し上げ、昨年9〜11月期の売り上げが前年同期比4倍超に急伸した。約11坪(36平方メートル)の店に作業着や安全靴など約250アイテムがひしめく。厚手の中綿ジャケットが6600円などお手頃価格で、宝探しのような楽しさだ。

 「一般のアパレルより安いのは商習慣の違いから」と臂(ひじ)幸宏社長(68)が説明する。「流行を追ってシーズンごとに新作を量産し、広告費や売れ残った際のリスクも価格に乗ってくるファッション衣料に対して、作業着は定番商品を長年にわたって定価販売するためロスが少なく、原価が同じであっても価格設定に大きな差が出てくる」

 そんななかでもデザイン性は確実に進化。紺やグレーの印象が強い作業着だが、黒地にピンクの差し色を効かせたり、カムフラージュ柄などもある。色落ち感がきれいなデニムの上下(ブルゾン6215円、カーゴパンツ5170円)はどんな人が着ているの?

 「本職の大工さんから一般の方まで幅広い。普通のデニムに見えますが、ポリウレタン混紡で伸縮性があり動きやすいんです」

 個人客は国籍を問わず30代男性が最多。DIY好きなタレントのヒロミさんとコラボした「PUMA(プーマ)」の作業着など、スポーツメーカーの参入もうかがえた。

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