帝国データバンク(東京都港区)は、「ラーメン店」の倒産発生状況について調査・分析を行った。その結果、2025年に発生した「ラーメン店」経営業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は59件となり、年間で過去最多だった前年(79件)から20件(25.3%)減少した。倒産件数が前年を下回るのは4年ぶりとなる。
帝国データバンクは「個人店の閉業などを含めると、実際はより多くのラーメン店が市場から退出したとみられるものの、倒産増加が続く『飲食店』業界で、ラーメン店は倒産急増の『淘汰の嵐』から転換期を迎えた一年となった」とコメントした。
一方、経営環境が改善したわけではない。ラーメンに使用する原材料のトータルコストを示す「ラーメン原価指数(豚骨ベース、東京都区部)」を見ると、2020年平均を100とした場合、2025年は141まで上昇しており、原材料費の高止まりが続いている。
こうした状況下で、ラーメン店の経営スタイルには変化が生じている。小規模店を中心に、個人の技量や職人技による味で勝負する「個」としての戦いから、1杯3000円を超える「プレミアムな体験」の提供や、サプライチェーン管理、DXを進める巨大資本のもとで、高効率経営を目指す「集団」としての戦いへと移行しつつある。
帝国データバンクによると、2025年は売り上げ規模の拡大を追う局面から、同業他社や他の外食産業との競合を前提に、客数が少なくても利益を確保できる体質へと転換する動きが見られたという。
具体的には、原価の多くを占める「スープ」の調理コストを抑えられ、オペレーションの簡略化が可能な「汁なし麺」業態の拡大や、半完成品から調理できるセントラルキッチンの活用、キャッシュレス券売機の導入などが進んだ。「少ない人数で、最大のパフォーマンスを出す」取り組みが広がっている。
さらに、ラーメン店経営の厳しさが社会的に認知されたことで、消費者の間でも「値上げ」への理解が進んだ点も追い風となった。コスト高のふるいにかけられた結果、生き残った店舗が、持続的に利益を確保できる経営ノウハウを獲得したことも、倒産件数の減少につながった要因の一つとみられる。
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