長期化する物価高騰に加え、実質賃金のマイナスが続いていることにより、家計への負担は増大し続けている。こうした状況を受けて、「令和8年度税制改正大綱」に企業が食事補助を出す場合の非課税上限を、現行の3500円から7500円へ引き上げる内容が盛り込まれた。食事補助において、42年ぶりの非課税枠の拡充となる。
インフレ対策としては賃上げが注目されがちだが、企業にとっては税金や社会保険料の負担が増加するという側面もある。しかし、食事補助の非課税上限引き上げを活用すれば、コストを抑えつつ、従業員の手取り額をアップすることが可能になる。
こうした変化に着目し、福利厚生プラットフォームを提供するHQ(東京都千代田区)は2月2日、専用カードで決済するだけで、企業が社員の食事代を非課税で半額補助できる新サービス「食事補助HQ」を発表した。これまで食事補助が活用されづらかった要因を、AI活用により解決したという。
食事補助HQを導入した企業は、従業員に専用の「HQカード」を配布する。従業員はHQカードで決済後、スマートフォンでレシートの写真を撮影。アプリか専用サイトに写真をアップロードするだけで申請できる。自己負担分は給与から天引きされる。Visa加盟店の飲食店やコンビニなどで利用可能であり、HQの坂本祥二代表取締役は「食事補助HQを導入することで、街中の飲食店を『社食』として利用できるようになる」と話す。
食事補助HQの開発背景には、42年ぶりとなる食事補助の非課税枠拡大がある。「この制度を活用すれば、1000人規模の企業で年間2700万円、4年間で1億円超の手取りアップが実現できる」(坂本氏)
しかし、食事補助を非課税にするためには
など、さまざまな要件をクリアしなければならなかった。そのため、全従業員の食事代について細かくチェックする必要があり、企業の管理負担が大きいという課題があった。
そこでHQは、要件のチェック作業を同社にアウトソースすることで、企業の管理負担をゼロにし、導入のハードルを下げた。アップロードされたレシートはAIがチェックし、要件に合わないと判断された支出のみ、人が最終確認する体制をとっている。
導入費用は企業規模によって異なるものの、1人当たり月額数百円程度を想定している。坂本氏は「目標は導入社数ではなく、導入された企業の従業員数で見ている。2月2日にサービスを開始したが、すでに1万人以上の導入が決定しており、1年で50万人への到達を目指す」と意気込む。インフレが常態化しつつある今、食事補助HQは新しい福利厚生として根付くか。
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