「BCPは企業の生存本能」――安否確認からマルチクラウド運用まで、明日から見直す実践ポイントデジタル戦略EXPO 2026 冬

» 2026年02月13日 08時00分 公開
[ITmedia]

 2026年1月27日〜2月25日にITmediaが主催するオンラインイベント「ITmedia EXPO 2026 冬」では、全10カテゴリーから「今知りたいデジタル戦略の最前線」を紹介する。「BCP」のセッションでは、「今こそ見直すBCP対策――安否確認からマルチクラウド運用までの道筋」をテーマに、IT開発だけでなくAX(AI Transformation)、DXを含む組織づくりを支援してきた久松剛氏が登壇。災害やサイバー攻撃、ベンダー障害などが日常化する時代においてBCPの再設計を提起した。

災害は「地震」だけではない――複雑化するBCPの前提

 BCPというと地震や津波などの自然災害を想起しがちだが、現実には火災やシステム障害、サイバー攻撃、サプライチェーン停止など、企業活動を止める要因は多岐にわたる。

 久松氏は「燃えなくてもデータは消えるし、攻撃されていなくてもサービスは止まる」と指摘。従来の“想定シナリオ型BCPでは追い付かず、想像力と準備を前提にした構えが求められると語る。

安否確認の落とし穴――「メール1本足打法」からの脱却

 近年の災害事例では、訓練では届く安否確認メールが本番では届かないケースが問題になった。通信障害、担当者の被災、迷惑メールフィルター強化などが要因だ。久松氏は4つのポイントを挙げ、権限と手順を平時に決め切る重要性を強調した。

バックアップは「取る」より「戻せる」か

 韓国政府データセンター火災では、8年分のデータ消失という深刻な結果を招いた。背景には、バックアップ頻度や対象範囲の設計ミスがあったという。

ここで重要になるのが、

  • RPO(いつの時点まで戻せるか)
  • RTO(どれくらいの時間で復旧するか)

 この2つを経営判断として定義することだ。さらに久松氏は「リストア訓練なきバックアップは無意味」と断言。暗号鍵がない、復旧に1週間かかる――といった失敗を防ぐ方策も解説した。

オンプレ集中管理の限界とマルチクラウド

 1拠点オンプレミスは、停電や入館不可・設備故障といった物理リスクを抱える。BCPの第一歩として久松氏は、「データを場所から解放する」という発想を提示。Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloudなど大手クラウドへの移行、リージョン分散、さらには国内外分散までを視野に入れる必要があるとした。

 その他にも、ランサムウェア時代のバックアップ戦略や、システム停止時に紙作業で対応できるよう準備しておくことの重要性、有事に活用したいフレームワークである「観察」(Observe)、「状況判断」(Orient)、「意思決定」(Decide)、「実行」(Act)を紹介した。

BCPは「企業の生存本能」

 BCPは一度作って終わりの文書ではない。久松氏は「重要なのは原因ではなく、止まったときにどう動けるか」として明日からできるアクションを提示した。詳しい内容については、講演内容をぜひ見ていただきたい。

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 デジタル戦略EXPO 2026 冬では「業務効率化」や「コミュニケーション/EX」など全部門が参考になるカテゴリーの他、「経理・財務戦略」「人事・組織戦略」「システム運用管理」など部門別に役立つカテゴリーのセッションを20日間にわたりお届けする。登録は無料、会期は2026年1月27〜2月25日。「新規登録&来場キャンペーン」も実施しているので、ぜひ会場でデジタル戦略の最前線に触れてほしい。

企業のBCPのポイントを詳しくチェック

 IT開発だけでなくAX、DXを含む組織づくりを支援してきた久松剛氏によるBCP見直しのポイントをこちらから無料でご視聴いただけます

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