「現場知をAIでつなぐ」――旭鉄工のDXを支える、コミュニケーションのススメデジタル戦略EXPO 2026 冬

» 2026年02月13日 08時00分 公開
[ITmedia]

 2026年1月27日〜2月25日にITmediaが主催するオンラインイベント「ITmedia EXPO 2026 冬」では、全10カテゴリーから「今知りたいデジタル戦略の最前線」を紹介する。「コミュニケーション/EX」のセッションには、旭鉄工および製造業をメインとした工場IoTソリューションを提供しているiSmart Technologies(愛知県碧南市)代表取締役社長の木村哲也氏が登壇し、自社のDXを支えるコミュニケーションの極意を紹介した。

 旭鉄工では、IoTやデジタル技術を活用した取り組みによって、残業時間の削減や設備投資の抑制、電力使用量の削減、生産性の向上などの成果を上げてきたという。木村氏は、こうした成果について「コミュニケーションの向上がなければ成り立たなかった」と語る。

 旭鉄工がデジタル活用に取り組み始めたのは、現場が新たな製造ラインを増設したいと希望したことがきっかけだ。一方で木村氏は、高額な設備投資を行わずに生産能力を高める方法を模索していた。そこで、IoTを活用して既存設備の稼働状況を可視化し、停止時間やロスを減らすことで、生産能力を引き上げる取り組みを始めた。

 木村氏は、この取り組みによって「設備を増やさなくても作れる状態」を実現できたと説明する。

可視化を改善につなげる文化とは

 一方で、IoTを使ってデータを取得するだけでは改善にはつながらない。木村氏は、「問題を分かるように見せることが大事だ」として、データの可視化と共有、そこから行動に移すための仕掛けをしてきた。

 その一つが、現場での改善成果を社長に直接報告するという文化だ。報告の場では、まず成果を褒めることを重視している。改善に取り組んだ従業員にとっては、うまくいった点を評価されることで「やってよかった」という気持ちにつながるという。こうした改善内容や成果は、「Slack」などのコミュニケーションツールでも周知し、改善事例の横展開につなげている。

暗黙知を形式知化し、AIでつなぐ

 木村氏は、「現場知をAIでつなぐ」試みも紹介した。製造現場には、設備の音の変化やわずかな違和感、作業のしづらさなど、数値化しにくい暗黙知が多く存在している。旭鉄工では、IoTによって取得した設備データに加え、現場の日々の改善内容や気付き、コメントなども蓄積し、「暗黙知を形式知化」している。

 さらに、蓄積された設備データや改善情報をAIが巡回し、問題点や注意点、気になる変化を自然言語で通知する仕組みを構築した。通知はSlackに投稿され、その内容を管理職や担当者が判断し、現場への指示につなげているという。ここで重要なのは、AIはあくまで人の判断を支援する存在であり、AIの指摘をきっかけに人が動く運用を重視している点だ。

 木村氏は、「旭鉄工のこれまでの成果は、コミュニケーションの向上によって支えられている」として、デジタル技術を導入するだけでなく、誰がデータを見るのか、誰が問いを投げるのか、誰が判断するのかを明確にすることが重要だという。

 その他、セッションでは以下のようなポイントが語られた。

  • IoTデータを「問題として分かる形式」にする工夫
  • 社長や管理職がデータを見る文化をどう作ってきたのか
  • 改善成果を共有する仕組み
  • AIを活用した運用の具体像

 デジタル技術の話だけでなく、DXを支えるコミュニケーションの取り組みに関心のある読者にとって参考となる内容だ。

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 デジタル戦略EXPO 2026 冬では「業務効率化」や「コミュニケーション/EX」など全部門が参考になるカテゴリーの他、「経理・財務戦略」「人事・組織戦略」「システム運用管理」など部門別に役立つカテゴリーのセッションを20日間にわたりお届けする。登録は無料、会期は2026年1月27〜2月25日。「新規登録&来場キャンペーン」も実施しているので、ぜひ会場でデジタル戦略の最前線に触れてほしい。

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