アイロボットが米国で創業したのは1990年。当初は家庭用製品ではなく地球外探査を目的とする自律歩行ロボットなど、特殊用途の製品を開発していた。国防省の国防高等研究計画庁から、軍事用ロボットの開発を受注したこともある。こうした技術は、福島第一原発の調査などにも使われた「PackBot(パックボット)」にもつながっている。
ルンバを発売したのは2002年だ。日本でも同年12月に3万9800円で発売し、話題を集めた。ちなみにこの前年にはスウェーデンのElectrolux社が同様のロボット掃除機「トリロバイト」を発売していたが、約30万円と高価格である上にルンバよりも大きかったため、普及しなかった。その後は多くの人がロボット掃除機を「ルンバ」と呼ぶように代名詞化していき、大きな差が開いた。
有力な競合も現れず、アイロボットは2017年頃に世界シェア7割以上を獲得している。同社のロボット掃除機の累計販売台数は2024年に世界で5000万台、日本で600万台を記録した。
コロナ禍では巣ごもり需要に支えられ、販売台数を伸ばした。
世界の累計販売台数は2020年に3000万台を記録、その後の4年間で2000万台を売り上げている。だがアイロボットの業績は2021年度をピークとして減収に転じた。2021年度の売上高は15.65億ドルであるのに対し、2024年度には6.8億ドルとなった。2022年度以降は赤字が続き、2025年12月に米連邦破産法第11条の適用を申請した。
要因は中国勢の台頭である。アイロボットの主な販売先は米国や日本、欧州などであり、中国本土でのシェアは小さい。国内で足場を固めた中国勢が海外にも進出するようになり、シェアを奪われた。また、米国向け製品はベトナムで生産しており、トランプ政権以降は関税も収益を圧迫する要因となった。
中国勢では2009年からロボット掃除機を販売するECOVACS(エコバックス)、2016年に参入したBeijing Roborock Technology(ロボロック)が代表的だ。両社とも安いものでは2万〜3万円台の製品も販売しており、価格を武器にアイロボットの市場や東南アジアを攻めた。
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