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人間向けとAI向けのコンテンツを“別建て”で設計する──「AI検索」対応策の新たな一手となるかアカマイが解説

» 2026年09月10日 08時00分 公開
[ITmedia]

 AIの普及によりユーザーの検索行動が大きく変化したことを背景に「SEO対策は“オワコン”(終わったコンテンツ)なのか」といった意見を目にすることも増えた。

 「マーケティングや集客導線を確保するために、GEO(Generative Engine Optimization)が最優先課題になっていると言っても過言ではない」──こう話すのは、アカマイ・テクノロジーズ(以下、アカマイ)シニア・プロダクト・マーケティング・マネジャーの中西一博氏だ。

 AIによる参照を増やすための取り組みについては、この1年ほどで議論が活発に行われてきた。GEO対策はSEO対策の延長にあり、人間に向けたコンテンツの質を高めることで、AI検索での参照も増えるという意見が多かったが、中西氏は「SEOとGEOでは、重要視する指標が全く異なる」と指摘する。

 「GEOはSEOと重なると言われていますが、あくまでベースの部分だけ。評価軸が全然違います。人間向けのコンテンツは残しておきながら、“別建て”でAIが読みやすい形式のコンテンツを持っておく必要があると考えています」

 本記事では、アカマイが9月3日に実施したメディアブリーフィングの内容から、従来のSEOとGEOで重視すべき具体的な項目や、今後のWebマーケティングの予算配分をどう考えるべきかなど、GEO対策を実施する上で押さえたいポイントを紹介する。

本記事はアカマイ・テクノロジーズが9月3日に実施した「EC業界におけるAI活用(AIO/GEO)に関するメディアブリーフィング」の内容を一部抜粋し、編集したもの。


「GEO」と「SEO」、評価軸は全く異なる

 Google検索でAI要約が表示された場合、62.7%のユーザーが自社サイトを訪れない「ゼロクリック検索」で検索行動を完結していることが、米Ahrefsの調査で分かった。企業がSEO対策や検索連動型広告に予算を投じても、多くの検索が自社サイトを訪問せずに完了してしまう。

 一方、ユーザーが生成AIサービスでチャットをしている場面で、回答の中で自社のサービスへの言及があると、CVR(コンバージョン率)が高まるといったデータもあると中西氏は指摘。「ECやブランドサイトは、SEOからGEO重視の戦略に転換を図っている。マーケティングや集客導線を確保するために、GEOが最優先課題になっていると言っても過言ではない」

 自社のコンテンツを検索結果の上位に表示させることをゴールとするSEOと比較し、GEOでは「AIによる回答に自社サイトを引用させること・自社を推奨してもらうこと」がゴールとなる。

 重視する指標は、それぞれ以下となる。

SEO

検索順位、CTR(クリック率)、トラフィック(誘導数)

GEO

引用率(Citation Share)、ブランド言及頻度

 指標の違いは、コンテンツの作り方や構成にも影響する。

 「SEOでは、キーワードを含んだ、タグ付けされたデータリッチなページ構成が求められていました。GEOでは(AIが記事を参照する際に)トークンという単位で処理をしており、AIが抽出しやすい構造のコンテンツであることが求められています」

 検索エンジンやAIシステムが、Webサイトやブランドの信頼性、専門性、信憑(しんぴょう)性を評価するために使用する測定可能な指標(オーソリティシグナル)も変化していると続ける。「SEOは他のサイトからの被リンク数が重視されましたが、今はWikipediaやYouTubeなど、誰もが見ているようなメディアで言及される情報と、自社のブランドに関する情報との一貫性が重視されます」

AI これまでのSEOとこれからのGEOの大きな違い(アカマイ・テクノロジーズ)

 これらの評価軸の違いを受け、中西氏は「人間向けのコンテンツは残した上で、別建てでAIに向けたコンテンツを持つ方がいいのではないか。それをどうやって実現するのか、仕組みが非常に重要になる」と指摘した。

AI 人間向けのコンテンツでは、AIが処理しきれず、情報を取りこぼすこともあるという(アカマイ・テクノロジーズ)

SEOとGEOを“別建て”で考える 「投資」の配分が重要に

 既に人間向けに作成したコンテンツを、AIの読み取りやすい形に変えていくのは、あまりにも労力がかかりすぎる。同社はAIサービスからのアクセスを検出し、自動的にAI向けに最適化したコンテンツを、AIボット向けに提供するサービス「AI Brand Presence」を開発。自社内で試験的に活用しているという。

 実際にアカマイのサイトで使用したところ、AIからの引用がそれ以前と比べて84%増加した。

 「(人間向けの)元コンテンツから自動生成したAI向けのページは1000トークンに収まっていて、HTMLタグやJavaScriptなど、AIにとって“邪魔”な要素を取り除いています」

 実際に生成されたAI向けページでは、最初にブランド名と製品名を明示。最初のパラグラフに200文字以内で要約を記載するなど、内容が短い文章でまとめられていた。

AI 生成されたAI向けページの例(アカマイ・テクノロジーズ)

 同社はAI Brand Presenceの正式なリリースを年内に予定している。

 「前提としてSEOの土台がなくなるわけではなく、引き続き人間が見るためのコンテンツは重要で、おろそかにしてはいけないのは間違いありません。アカマイの場合は、これまでSEOにかけていたコストをかなりの割合でGEOに振り分け、注力してきました。SEOとGEOどちらも無視できないですが、ある程度はSEOにかけていたコストをGEOに移行する流れは出てくるのではないかと考えています」

 人間向けとAI向けのコンテンツを“別建て”で設計する──。変化の大きいAI検索の領域で、この考え方がスタンダードになっていくのか。今後の動向も注視したい。

AI 「GEO」と「SEO」を別建てで設計し、予算配分を考えることが重要(写真はイメージ、ゲッティイメージズ)

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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