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クロネコヤマトはなぜ、最新物流ターミナルで家電を修理するのか?:羽田クロノゲート見学記(4/4 ページ)
羽田空港近くにある「羽田クロノゲート」は、ヤマトグループの最新物流ターミナルだ。大量の荷物を高速に処理できるという特徴の一方、ターミナル内で家電を修理したり医療器具を洗浄したりといった業務も行っている。その狙いはどこにあるのだろうか?
物流+αの新しい価値を
羽田クロノゲートでは、メンテナンスセンターやメディカルセンターといった以外にも、オンデマンドで印刷した紙資料の発送を請け負うヤマトシステム開発の「オンデマンドセンター」や、EC事業者が扱う商品のピッキング・発送を在庫スペースを特定せずに請け負うことができるヤマトロジスティクスの「FRAPS(フリーラックオートピックシステム)」といった、「物流+α」のサービスを行う拠点がたくさん集まっている。
ヤマトグループは創業100周年を迎える2019年に向けて9年間の長期経営計画を進めている。その核となるのが「バリュー・ネットワーキング」構想だ。「物流ネットワークの革新により、これまで強みを発揮してきた個人宛配送の領域のみならず、例えばモノづくりを行うメーカーなど企業間の配送にも価値を提供していくのが狙いです。メーカーから見れば『物流=コスト』。でも、物流に付加価値を与えることで、コストから価値を生み出す手段に物流を進化させ、企業の成長を支えることで日本経済の成長に貢献していく。これがバリュー・ネットワーキング構想です。メンテナンスセンターやメディカルセンターでは、物流改革を通して、企業へ新たな価値を提供することを目指しています」(ヤマトグループ)
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