丸亀製麺の創業者が語る、「世界トップ10入り」の青写真:胸の内(1/4 ページ)
「丸亀製麺」を運営するトリドールが、外食産業「世界トップ10入り」を目指して、今後の方針を明らかにした。創業者の粟田貴也社長は、どのような構想を描いているのか。
讃岐うどんチェーン「丸亀製麺」を運営するトリドールが、外食産業「世界ランクトップ10入り」を目指して、今後の方針を明らかにした。2014年度に872億円だった連結売上高を2025年度に5000億円に引き上げる計画をぶち上げたが、どのような青写真を描いているのか。7月30日、同社のグローバル戦略発表会の席で、創業者の粟田貴也社長が胸の内を明かした。一問一答形式でご紹介する。
新たな業態が必要
――国内の状況を教えてください。
粟田: 丸亀製麺はこの5年間で582店舗を出店して、シェアを急速に拡大してきた。換算すると、3日に1店舗のペース。5年間の年平均成長率をみると、売上高が38.4%、店舗数が35.9%と大きく伸ばすことができた。
全国の店舗数は800店近くなったが、従来のように急速に店舗数を増やすのは難しく、今後はやや鈍化させなければいけない。もちろん丸亀製麺の出店が終わりというわけではない。1000店舗を目指して、年間10〜20店舗のペースで増やしていくつもりだ。
いまは、新たな業態が必要だと思っている。郊外型のカフェ市場が急成長しているので、当社もその市場に本格的に参入しようと考えている。郊外型のカフェ「クローバー珈琲焙煎所」を運営しているが、このカフェは丸亀製麺の成功モデルを踏襲している。店内で生豆から焙煎するなど「できたて」にこだわっているのが特徴だ。
また焼き鳥店「とりどーる」はこれまで関西圏で展開してきた。既存店が好調であることから、関東圏にも出店する予定だ。関東の郊外に出店を考えていて、来年度10店舗ほど出せればいいと思っている。
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