丸亀製麺の創業者が語る、「世界トップ10入り」の青写真:胸の内(2/4 ページ)
「丸亀製麺」を運営するトリドールが、外食産業「世界トップ10入り」を目指して、今後の方針を明らかにした。創業者の粟田貴也社長は、どのような構想を描いているのか。
海外にチカラを入れる理由
――なぜ海外にチカラを入れていくのでしょうか。
粟田: 国内の食市場は縮小するばかり。1998年の77.9兆円をピークに減少の一途をたどっている。高齢化の進展によって、いわゆる“胃袋”が縮小している。また長引くデフレによって、客単価が低下した。しかし海の向こうを見てみると、世界の外食市場はまだまだ成長している。特に新興国では年10%を超える高い成長を継続している。一方、先進国の欧州でも年3〜5%で成長している。
これまでは丸亀製麺を出店することで、事業規模を拡大させてきた。これからは新たな戦略として、世界に展開する予定だ。そして大きな目標として、外食産業「世界ランクトップ10入り」を目指している。トップ10入りするためにはどのくらいの規模が必要なのか調べたところ、約6000店舗で売上高は約5000億円。この数字を達成すれば、トップ10入りすることができる。当社の売上高は1000億円にも達成していないので、まだまだ“夢物語”に聞こえるかもしれないが、10年後には達成したい。
――その目標を達成するために、何をしていくのでしょうか。
粟田: 日本の外食産業をみると、売り上げのほとんどは国内で、海外での収益は少ない。しかし世界トップ10の企業は違う。例えば、マクドナルド、スターバックス、ケンタッキーフライドチキンなどを運営しているヤム・ブランズなどをみると、バランスよく世界市場をとっている。北米だけでなく、欧州、アジアでもシェアを獲得している。
こうした数字をみて、当社はどうすればいいのか。丸亀製麺は海外に展開しているが、売上高をみるとまだまだ国内の割合が高い。世界の各地域に適した……つまりローカライズした業態を積極的に展開していく必要がある。ただ、私たちはまだだま経験が足りない。世界には多様な食文化があるので、それに対応しなければいけない。また、よりスピーディーに展開しなければいけない。
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