丸亀製麺の創業者が語る、「世界トップ10入り」の青写真:胸の内(3/4 ページ)
「丸亀製麺」を運営するトリドールが、外食産業「世界トップ10入り」を目指して、今後の方針を明らかにした。創業者の粟田貴也社長は、どのような構想を描いているのか。
“先行の利”を得る
――具体的にどのように展開されるのでしょうか?
粟田: アジアでは丸亀製麺を中心に展開していくつもりだ。台湾、中国、韓国、インドネシア、タイ、ベトナムなどで売り上げが好調に推移している。まだ出店していない国・地域が残っているので、そういったところも展開していきたい。
アジア以外で注目しているのはアフリカだ。なぜアフリカなのか? とよく聞かれるが、現地ではまだ外食産業が根付いていない。日本で外食産業が大きく伸びたのは1980〜1990年代だと思うが、いまのアフリカは(日本の)1960年代前ごろといった感じ。例えば、ケニアには何度も足を運んでいるが、ケンタッキーフライドチキンがわずかにある程度。まだまだ外食産業は少ない。
そうした環境の中で、店を出店することで“先行の利”を得ることができるのではないか。当社のこれまでの経験が発揮できるのではないか。試金石として鶏肉照り焼きのファストフードがメインの「teriyaki JAPAN」をオープンした。まだ出店して1年が経っていないが、たくさんの人に来店していただいている。雇用や物流などの課題があるが、現地に根付く店に成長させたい。
以前、英国のロンドンに出店した。しかし、ロンドンは歴史的建造物が多く、なかなか物件が見つからなかった。丸亀製麺は店内に製麺施設を導入しなければいけないので、それが入る広さが必要。狭い物件では店舗を運営することが難しく、結果的に撤退した。とはいえ、欧州の市場は“伸びしろ”がある。そこで、2015年6月に欧州で展開している「Wok to Walk」を買収した。アジア料理ファストフードのチェーン店で、現在は67店舗だが、2020年には500店舗にしたいと考えている。
また、5月には米国のファストカジュアルレストラン「Kaya Street Kitchen」を買収した。東南アジア料理のテイストを取り入れていて、今後の拡大にチカラを入れていきたい。
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