3Dプリンターで回路基板を製作、NY発のベンチャーが狙う日本市場:日米のビジネス事情の違いを知る(9/9 ページ)
米国でビジネスに力を入れる日本人起業家や、日本とのビジネスに興味を持つ外国人と対話する「アントレプレナー対談。日米のビジネス事情の違いを知る」。今回は、ニューヨーク発のハードウェアスタートアップ「BotFactory」のCEOをゲストに迎えました。
関: ということは、Squinkのゴールは「より良いプリンティング技術や、より小さな部品を多層で複雑なところに置ける多層基板技術など、もっと複雑なことができるようになること」と考えてよさそうですね?
ニコラス: はい、その解釈で結構です。会社としてはいつも新しい技術を追いかけてマーケットの隙間を埋めようと努力をしていますが、Squinkという商品においては「より複雑な回路を作れるようにすること」が当面の目標です。より大きな機械で、より複雑な回路を作れるようにしていきたいです。
Squinkを使えば、3Dプリンティングができて、電子回路のプリントができて、部品が配置できます。今はここまでですが、究極的にはデスクトップ環境から離れることなく、まるでリモコンで操作しているように、ロボットを製造できるようにすることが目標ですね。
関: 大きな工場の生産ラインにはたくさんのロボットがいますが、これをいずれはデスクトップ上から製造できるようにしていきたい、ということですね。
ニコラス: はい。通常の工場で行われているプロセス全て、もしくはそれ以上の機能がデスクトップ上で実現可能になると思います。デスクトップ上だったら、現場にあるような制限がなかったりするので。
関: 分かりました。本日はありがとうございました。
関信浩(せき のぶひろ)氏:
米Six ApartのCEO 兼 米Infocom Americaの取締役を務める。1969年、東京生まれ。1994年、東京大学工学部卒。1994年から2003年まで、日経BP社で編集や事業開発に従事。2002年、カーネギーメロン大学ビジネススクールで経営学修士(MBA)を取得。カーネギーメロン大学在学中に、ビジネスプランコンテストで特別賞などを受賞。2003年12月、シックス・アパート株式会社を設立し代表取締役に就任(2015年5月より顧問)。2013年6月より米Six ApartのCEOに就任(現任)。同年9月より、GENOVA株式会社の取締役に就任(現任)。2015年5月より米Infocom Americaの取締役に就任(現任)。2015年に米FabFoundryを設立。
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