「安保反対デモ参加者は頭が悪くて仕事ができない」は本当か:スピン経済の歩き方(1/5 ページ)
堀江貴文氏がTwitterで、安保反対デモに参加したことをカミングアウトしたら採用しないとツイートしたところ、ちょっと話題になった。いろいろな意見があったが、本コラムの窪田氏は「経営者として極めてノーマルな反応」だという。その理由は……。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
「情報操作」というと日本ではネガティブなイメージが強いが、ビジネスにおいて自社の商品やサービスの優位性を顧客や社会に伝えるのは当然だ。裏を返せばヒットしている商品や成功している企業は「スピン」がうまく機能をしている、と言えるのかもしれない。
そこで、本連載では私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」を紐解いていきたい。
少し前、「安保反対デモに行くと就職できない」という声を伝えるネットニュースを受けて堀江貴文氏がTwitterで、安保反対デモに参加したことをカミングアウトしたら採用しないと表明して話題になった。
政治信条や思想がどうのこうのという話ではなく、『間違った理論に盲従する頭悪そうな奴』ということで単純に『仕事出来ないと思うから』らしい。
いろいろな意見はあるだろうが、個人的には経営者として極めてノーマルな反応だと思う。
もちろん、国会前で連日ワーワーやっている方たちのなかにも、「昨日もドバイで億の商談をまとめてきましたよ」なんてビジネスエリートがいないとも限らないし、現実にはずば抜けて優秀な方も常人の何倍も仕事ができるような方もたくさんおられるかもしれない。ただ、報道で伝えられるデモ参加者の言動を見る限り、堀江氏のような印象を抱かれてもしょうがない部分がある。
「安保反対」というのは政治的立場なので声高に叫んでいただいてもなんの問題もないのだが、「アベ政治の暴走を許すな」と一国の首相を独裁者扱いして糾弾する以上、「別の道」を示す必要があると思うのだが、今日にいたるまで具体的な安全保障スキームを聞いたことがない。
マスコミから取り上げられる学生団体のWebサイトにも、『対話と協調に基づく平和的かつ現実的な外交・安全保障政策を求めます』というどこかで誰かが言ったような「ふわっ」としたスローガンしかない。要するに、よく言われることだが、「反対ばかりで具体的な対案がない」のである。
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