「安保反対デモ参加者は頭が悪くて仕事ができない」は本当か:スピン経済の歩き方(2/5 ページ)
堀江貴文氏がTwitterで、安保反対デモに参加したことをカミングアウトしたら採用しないとツイートしたところ、ちょっと話題になった。いろいろな意見があったが、本コラムの窪田氏は「経営者として極めてノーマルな反応」だという。その理由は……。
難癖をつける社員
これはビジネスパーソンとしてはかなりイタい。例えば、もしもあなたがサラリーマンだとして、シビアな決断を下す社内会議で、各々が具体的な解決策を議論している時にことごとく難癖をつける社員がいたとする。誰かがなにかアイディアを口にするたび、「それでは会社が倒産する」「社員が路頭に迷うぞ」と激しい批判を展開する社員に対して、だったら君の意見を聞こうじゃないかとみんなが水を向けたら、彼は胸を張ってこのように答える。
「創業者の思いを受け継いで、企業理念に基づいた民主的な経営をすればいいと思います」
いや、それはそうなんだけどさ……と思いっ切りズッコけてしまうのではないだろうか。対案なき反対をしている人々は、どうしてもこのように議論が上滑りしてしまっている印象なのだ。理念ばかりを唱えるのが青臭くて使いものにならないとか言っているわけではない。理念に固執するのは結構なことなのだが、それを実現するためにありとあらゆる方法を考えて実際に汗をかいて動くという「生産性のある仕事」をしていないと言っているのだ。
座り込んだり、プラカードを持ったりしてワーワーやって理念を実現するというのも尊い仕事だとおっしゃる方たちもいるかもしれないが、残念ながらそのような若者が即戦力になるのは社会運動や市民団体であって、一般企業で「生産性のある仕事」をバリバリこなしている姿は想像できない。むしろ、堀江氏の言うように「間違った理論に盲従」するあまり、自分だけではなく組織全体を危険にさらしてしまうイメージすらある。
実際、過去にそういう人がいた。
石橋政嗣(いしばし・まさし)氏である。ご存じの方も多いと思うが、社会党委員長も務めた安全保障の論客で、1980年にベストセラーになった『非武装中立論』の著者としても知られている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
日本人のここがズレている! このままでは「観光立国」になれません
「訪日客が1300万人を突破」といったニュースを目にすると、「日本は観光立国になったなあ」と思われる人もいるだろうが、本当にそうなのか。文化財を修繕する小西美術工藝社のアトキンソン社長は「日本は『観光後進国』だ」と指摘する。その意味とは……。
「日本は世界で人気」なのに、外国人観光客数ランキングが「26位」の理由
日本政府観光局によると、2014年に日本を訪れた外国人観光客は2年連続で過去最高を更新した。テレビを見ると「日本はスゴい」などと報じているが、国別ランキングをみると、日本は「26位」。なぜ外国人たちは日本に訪れないのか。その理由は……。
「野蛮人」と蔑まれていた日本人観光客が「世界一」になったワケ
訪日外国人のマナーの悪さを取り上げる報道が増えてきた。「外国人に比べて日本人はマナーが良い」と思うかもしれないが、今から30年ほど前、海外から日本人観光客のマナーの悪さが問題視されていたのだ。例えば……。
中国人観光客が「爆買」する日本の炊飯器は何がスゴいのか
中国人観光客の爆買によって、日本製の炊飯器が売れている。そんなことを聞くと、「多くの中国人は日本の技術力を高く評価しているんだなあ」と思うかもしれないが、本当にそうなのか。売れている背景を探っていくと……。