やはり只者ではない! 世界を相手に戦う、清宮とオコエの凄さ:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/3 ページ)
夏の甲子園で日本中を沸かせた早実の清宮幸太郎内野手と関東一・オコエ瑠偉外野手が、「第27回U18ワールドカップ」のメンバーに加わった。メディアは2人にスポットを当てているが、彼らのどこがスゴいのか。本コラムの臼北氏が取材したところ……。
“極限状態”に自分を置く
清宮も実父同様に自ら口にした言葉で心を奮い立たせ、己を追い込みながら勝負に臨む。無論、ある程度の反発や批判も覚悟の上でだ。そういう、いわば“極限状態”に自分を置く中で、清宮はきちんと夏の甲子園で結果を残した。
チームは目標としていたVではなくベスト4に終わったとはいえ、清宮個人は1年生で史上初の2試合連続本塁打、PL学園の桑田真澄(元巨人、パイレーツ)と並ぶ8打点を記録。5試合すべてでヒットを放ち、19打数9安打の打率4割7分4厘もマークした。ふたを開けて終わってみれば前評判以上の活躍で聖地を席巻してみせたのだから本当にスゴいの一言である。
そして、もう1人のオコエだ。清宮フィーバーで盛り上がっていた夏の甲子園の大会期間中、大会6日目・11日の初戦で3本の長打と俊足、強肩を披露してチームの勝利に貢献すると、あっという間に全国区の注目選手になった。しかしながら、このオコエの素晴らしさはグラウンド上でのプレーだけではない。18歳とは思えない落ち着いた立ち居振る舞いに加え、やはり清宮と同じく高い志を持っている点である。
メジャーリーガーで目標とすべき選手は、現在レッドソックスでプレーするハンリー・ラミレス。走攻手の三拍子そろった身体能力の高さが売りの有能プレーヤーだ。オコエは、このラミレスの一挙一動を脳裏にインプットさせ、自分のプレーに反映させている。
「(エンゼルスの)マーク・トラウトのプレーもお手本です。吸収しなければいけないと自分に言い聞かせています」と本人は補足する。さらにオコエは「走・攻・手」の三部門に分け「走」が巨人・鈴木尚広外野手、「攻」で日本ハム・中田翔外野手とヤクルト・山田哲人内野手、「手」ではかつてメジャーリーグや日本ハム、阪神で活躍した新庄剛志外野手のプレーをそれぞれ参考にしながら、YouTubeなどの動画サイトでほぼ毎日繰り返しでチェックしているという。
「日本で今までいなかったようなプレーヤーになりたいです」とはオコエの弁。“いいところ取り”のハイブリッド・プレーヤーを目指すとは、なかなか簡単には言えない。やはりこれは相当の覚悟と自信、そしてストイックさの現れでもあるだろう。
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